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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

死と向き合って 12(1/3ページ)

2012年2月9日付 中外日報
「巴那ちゃん」への手紙 校門前に花束を供え祈る母親の後ろ姿は苦悩と悲しみに打ちひしがれていた。「巴那ちゃん」への手紙(上)が雨でにじむ(宮城県石巻市の大川小で)
校門前に花束を供え祈る母親の後ろ姿は苦悩と悲しみに打ちひしがれていた

祭壇に幼い命の夢・夢

悲しみとどう向き合う

耐えがたい悲しみや苦しみに、宗教はいかに向き合えるだろうか。またそれが、どうしても納得できない、「天災」として受け入れることができない状況なら。

「早く!」。そんな叫び声で、児童や先生たちが小走りに向かう前方の北上川の土手を越えて、真っ黒い大波が前から押し寄せた。下校準備でヘルメットをかぶったり、まだ上履きのままの子供たちがのみ込まれた。

全校児童の7割に当たる74人と教職員10人とが死亡、行方不明になった宮城県石巻市立大川小学校。昨年の晩秋、震災から8カ月近くたった現場は、校庭を埋めた瓦礫が周辺によけられて見上げる山になり、更地のような校舎周辺はくぼみに泥水がよどんでいた。壊れた校門に金文字の校名が読み取れる。

そばにしつらえられた祭壇には、たくさんの菓子や缶入りジュース、バスケットボール、ドラえもんやポケモンのぬいぐるみなどが並び、奪われた幼い命たちの「夢」を物語っている。

その前にしゃがみ込み、可憐な白い花を手向ける母親の姿があった。供えられた他の花束の水も換え、枯れたものをかいがいしく掃除した。