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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

原発さえなければ 15(2/3ページ)

2012年4月3日付 中外日報

原発は「トイレのないマンション」といわれ続けた。運転で生成される高濃度の放射性廃棄物、核のゴミの処理が困難で持って行き所もほとんどなく、膨大な量が蓄積されるばかりだからだ。全世界で累積二十数万トンにもなるといい、地下深くに埋蔵する国もある。厄介な危険物を気の遠くなる未来の子孫に「つけ回し」する発想だ。

日本でも、事故を起こした福島第1原発の廃炉作業は見通しがつかず、1年以上たってもなお海への汚染水漏れなど不祥事がボロボロ出てくる。にもかかわらず、他の原発の再稼働への準備が着々と進められる。

阿部住職らの心配は、その放射性廃棄物が事故で飛び散った福島県内で、除染による夥しい汚染土の回収後の行き場が決まらないことだ。環境省によると中間貯蔵施設は3~5平方キロの敷地に1500万立方メートル以上の土を保管する見込みだが、候補地である同県双葉郡では当然ながら交渉が難航している。

だが、汚染土も田畑や広い土地で栽培し放射性物質を吸収したヒマワリなどの大量の花も同様に寺の土地で預かっている阿部住職は、本格的な仮置き場の新設を自治体と連絡を取りながら模索もしている。

「論評」だけでなく、できることは全て手を尽くした上で、「あとは東京電力、国の問題です」と行政への働き掛けを呼び掛ける。「現実は現実。嘆いているだけでは解決しない」との信念からだ。