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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

支援の広がり 2(2/3ページ)

2012年4月10日付 中外日報

6月に入り、小規模避難所が統廃合されたため炊き出しから地元の130世帯の仮設住宅での活動に切り替えた。毎週1回。「いわゆる『傾聴ボランティア』を目指したのですが、そんな言葉通りにはいかない。そこで世間話の場をと、お茶やコーヒーを出すことにしました」

その後も各地でさまざまに取り組みが行われている「お茶っこ」。背景として広く東北には「まあ上がってけ」とお茶を囲む習慣があり、まったくの自然体だった。

暑くなると、より喜ばれるかき氷をメーンにした。イチゴ、レモンにメロン味。「食べるのに時間もかかりますから」。「冷てえっ」と言いながら、ぽつりぽつり、大人も子供も身の回りのことを話し出すのは、だが何度も通ってからだ。

「ああ園長先生!」。以前通っていた園児の母親(41)だった。津波を目前に、娘を紐で体にくくり付け祖母とは手をつないだ。だがそのまま流されて気を失い、人々に心臓マッサージを受けて目覚めると祖母だけが行方不明だったという。「手が離れてしまって……」と消え入るような言葉を住職は頷いて聞いた。

「開店」前に、青と赤の「氷」の小旗を手に、「今日やりますよ」とチラシを各戸に配って歩く。「最近どうですか?」と声を掛け、体が不自由なお年寄りには求められれば配達もする。

皆がいる場よりも、むしろそこで、たまった言葉が吐き出されることも多い。顔見知りになった高齢女性は、年を取ってから事故で体を壊し、そこへ「今度は津波だぁよ」。住んでいたアパートを流され、仮設で一人暮らしのつらさを訴えた。「つながったかな」と実感する時だ。