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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

支援の広がり 2(3/3ページ)

2012年4月10日付 中外日報

千坂住職たちは、一連の活動で寺の僧侶であることを出すかどうか迷った。だが、檀家と寺がざっくばらんに付き合う土地柄でもあり、皆で寺名のネームプレートを着けた。直接的な布教活動をするわけでもなく、「拒否感はありませんでした」。むしろ、寺を前面に出したのが良かったと千坂住職は思う。

何度も会ううちに誰がどの寺の檀家か徐々に分かってくる。葬儀や供養の相談も持ち掛けられる。「うちは別の宗旨なんですが」という人にも「いいんです。仏教では同じですから」と返す。そんな関係性の中から、「じゃあ、仏教って何?」という話も自然にできるのかもしれない。

千坂住職は語った。「日本全体でいえば宗教、仏教はあまり期待されていないかもしれません。でも、もともと日本人が真面目で勤勉で家族を大事にするということ、その力を支えていたのは宗教。災害でそれが再認識されたはずです。お寺はこれほど多いのだから、それぞれが人々が人間力を出せるよう努力した方がいい」

自身も、これまで法話で話してきたことが「本当にそうだ」と実感でき、自らの内に「仏」を見いだすことができるようになったという。「腰を地元に据えて、地域のために働くことが中心になりました」

東園寺のブログには法事など日々の出来事の紹介に加え、境内のみずみずしい蓮の花の写真が掲載されている。被災地にはまだ瓦礫や汚泥が残る所も多い。「美しい蓮は泥の中から花を咲かせます」、ブログにはそんな言葉もあった。

(北村敏泰)