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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

支援の広がり 6(1/3ページ)

2012年4月19日付 中外日報
一面の廃虚に大火で焼けただれた小学校舎が残骸を晒す。その左奥が大念寺(岩手県大槌町で)
一面の廃虚に大火で焼けただれた小学校舎が残骸を晒す

宗教者に心の拠り所求め

地域とのつながりで支え

「この1年、長いのか短いのか、止まっているのか分からない中で一周忌を迎えました。震災後、何とか皆さんの役に立ちたいと動き、各寺も奮闘してきました。皆さんの気持が休まるものではありませんが、少しでも手助けできたらというのが私たち仏教者としての務めです」

今年3月17日、岩手県の釜石大観音で開かれた釜石仏教会主催の「殉難者一周忌法要」で、挨拶に立った副会長の同県大槌町、浄土宗大念寺の大萱生修明副住職(55)は言葉少なかった。

被災地にあってさまざまな苦難に直面しながら支援活動に力を尽くした寺社、教会、宗教者も多い。大萱生副住職は、この連載の冒頭に出てきた親戚の曹洞宗江岸寺の住職をはじめ、近い身内6人、檀家200人以上を亡くした。町も壊滅した中で、高台にあって損壊を免れた自坊を拠点に被災者を支え続けた。

あの日、山門のすぐ横にある鉄筋4階建ての大槌小学校の校舎が防波堤のようになり、津波は参道の下で止まった。校舎に逃げ込んで亡くなった人もいたが、指定避難所の同寺には180人余りが身を寄せた。だが全く安心はできなかった。

程なく漂流するガスボンベなどが近くで次々爆発し、そこら中から火の手が上がった。4日間にわたり町をなめ尽くした大火。夕方には目の前の校舎が燃え盛り、破裂音と共に飛び散る窓ガラスを突いて炎が迫る。