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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

支援の広がり 8(1/3ページ)

2012年4月24日付 中外日報
仮設住宅の駐車場で子供と遊び、しゃがみ込んで話し掛ける舟山神父(岩手県釜石市で)
しゃがみ込んで話し掛ける舟山神父

支援活動の主役は被災者

キメ細かい女性のサポート

岩手県大槌町、浄土宗大念寺近くの被災したビジネスホテル廃屋に「カリタスジャパン大槌ベース」の白いのぼりが立つ。ボランティアが常駐し、壊滅したこの地区で人が住むのはここと大念寺など2、3軒だけだ。

「カリタス」はカトリック教会の理念、キリスト教精神に基づいて1951年に設立された国際的な社会福祉団体(本部・バチカン)で、世界162カ国に組織がある国連認定NGO。災害援助や難民支援、児童・女性虐待防止など幅広い活動をしている。その日本版が正式名称「カトリック中央協議会カリタスジャパン」で、宗教法人格を持つ。

東日本大震災では3月11日当日から支援活動を始め、一方では募金や国際的な援助物資の受け入れ、被災地では広範なサポートの取り組みを展開した。

各地の神父やシスター、信者や趣旨に賛同した一般ボランティアが実動部隊だが、共通するその活動理念は「支援活動の主役は、復興の主役つまり『被災した方』。彼らが必要な物、望む生活環境を彼ら自身の努力によって手に入れていくための手伝いこそが支援」というもの。物資から瓦礫撤去、農漁業再開支援などその活動は多岐にわたり、極めて組織的だ。

同県釜石市のカトリック釜石教会に置かれた「釜石ベース」責任者の舟山亨神父(48)も震災後の5月、カトリック仙台教区の人事異動で、それまで専任司祭のいなかった同教会に仙台の教会から赴任してきた。

「務まるだろうか」と不安もあったが、「神様のお望み」と感じた。この春、仮設住宅への訪問で幼い子供と紙飛行機で遊び、しゃがみ込んで同じ目の高さで話し込むその姿は、ずっと以前からそこに寄り添っているようだった。

釜石は昨秋からの5カ月の間にメーン道路の信号が復旧し、軒並み被災した建物の解体が進んでいた。だが空き地ばかりが目立ち、街や人々の心は沈んだままだった。海抜8メートルの釜石教会は津波の日、マリア像のある聖堂が浸水、瓦礫や車が押し寄せ、4人の遺体も流れ着いたが、地区のボランティア拠点として活動を続けた。