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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

支援の広がり 8(3/3ページ)

2012年4月24日付 中外日報

津波で同教会信者はほとんどが被災したが、直後から自主的に他の住民のためにおにぎりやみそ汁の炊き出し活動をしていた。被災者を誘ってバスで近くの温泉へも行った。そんな動きがあったので、4月初めにカリタスのベースが置かれた時も、地域にスムーズに入ることができた。

「だからキメ細かいのです。物資支援でも何でも女性の視点は大事です」と舟山神父。多い日には50人以上、累計で1300人以上のボランティアがここで活動した。各地から来た修道女会のシスターがエプロン姿で賄いをし、地元の人が布団を提供してくれた。

過酷な状況も続き、解体前の家屋や壊れた車を片付けていると遺体やその一部が出てくることが今もある。被災者から体験を傾聴するためには、ケアチームで関わり方をきちんと話し合って引き継ぎ、上智大学グリーフケア研究所の専門家による訓練も行われた。悩み事が大変で手に負えないケースは関係機関につなぐ仕組みも作り上げた。

舟山神父は「無関心といわれがちな若い人も頼もしかったですよ」。「今までは社会が自分に何をしてくれるのかと考えていたが、ここで悲惨な現実を目にして、自分にできることは何だろうと必死で考えるようになった」。そう語る若者が何人もいたという。

今村さんも仙台で勤めていた店が被災して失業し、「何かしなくては」とインターネットでたまたま知った釜石ベースに昨年4月、泥出しなどのボランティアに来た。

1カ月余りの活動で、シスターや信者が頑張り被災者と支え合っている姿を見て、自分を見つめ直した。契約の仕事を辞め、10月に釜石ベースの専任スタッフとなった。

彼らと共に自らも支援に奔走する舟山神父が、日々心掛けていることがある。

(北村敏泰)