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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

支援の広がり 9(1/3ページ)

2012年4月28日付 中外日報
カリタスジャパン釜石ベースでは、毎朝のミーティングの終わりにボランティアたちが祈りをする(岩手県釜石市で)
ボランティアたちが祈りをする

苦しむ誰もに声をかけ

祈りで心の重荷支え

岩手県釜石市のカトリック釜石教会に置かれた「カリタスジャパン釜石ベース」の最近の活動は、仮設住宅を訪問しての「お茶っこサロン」が中心になっている。3月下旬、責任者の舟山亨神父(48)ら5人に付いて訪問した平田第2仮設住宅は郊外の高台にあり、海岸近くは住宅が根こそぎになったままだった。

民生委員ら市から委嘱を受けた支援連絡員が黄色いジャンパー姿で戸別巡回しているところだ。プレハブのドアをノックし「お早うございます。お変わりないですか?」と声掛けすると、ほとんどが「ああ」「お早う」と短い応答。一人の支援員が神父らを「ご苦労さまです」と迎えた。

プレハブ棟の集会室で、テーブルを並べてコーヒーや菓子を出すと、主婦や老齢の男性、子供たちが次々集まってくる。「どうです? 最近」という問い掛けに、「もう1年かあ。悪いこといっぱいあったな」「仕事ねえんだよなあ」と暗い話題から始まる。

ボランティアの女性が「おばあちゃんは?」と話し掛けた男児は「2人いるけど仮設のばあちゃん?」。だが、CDで流れるグレゴリオ聖歌が聞こえないほどにぎやかになり、「ここは山を開いて建てたからシカやヘビが多くて。こないだもカエルが壁の隙間からのぞいとった」と笑い話も飛び出す。和やかな時間が流れる。退屈して外へ飛び出す子供に、神父が付いて出て一緒に遊ぶ。