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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

支援の広がり 9(2/3ページ)

2012年4月28日付 中外日報
カトリック釜石教会にはカリタスのボランティアたちが頻繁に出入りしていた(岩手県釜石市で)
ボランティアたちが頻繁に出入りしていた

しかし、このような傾聴でボランティアに大きなストレスが生じることもある。テレビで見たのとは桁違いの惨状に接し、被災者から家族全滅など悲惨な話を聞くと、非常なショックでその悲しみ苦しみを全身で受け止めため込んでしまう。

そこで神父は夕方のミーティングで小グループごとにその日の体験の分かち合いをし、つらい話を互いに吐き出すようにする。「そう、よく分かるわ」。仲間が応じ、大声で泣き出す人もいる。そこで祈りをするという。話すことで心は落ち着き、その後に一言も話さない静かな時間を持つのだ。

その場で舟山神父が「疲れたんですね」などと言葉を掛けることもある。「母親がけんかして帰ってきた子供を受け止めるのと同じです。聖書が身に付いておれば、疲れた人を目の前にして言葉は出てきます」

大丈夫、何も心配することはないと自らに言い聞かせ、その心で接するという神父の姿勢に、信仰の力を見る思いがした。今後も、支えられる人、支える人の両方に仕事や食事や祈りで接し、「霊的な支え」を続けたいという。「それが司祭である私が関わることの意味です」

舟山神父は、親戚に神職や牧師がおり、父母は毎日神棚を拝んでいた。10代の時に先の教皇ヨハネ・パウロ2世の来日がきっかけでキリスト教に興味を持った。神や死生観について。聖書でキリストの復活に感銘を受け、マザー・テレサのように行動する実践者がいることにも引かれた。

30歳で洗礼を受けたが、「キリスト教会の家庭的な共同体に引かれた。人々とのつながりで信者になり、生きる意味を教えていただきました」という。