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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

支援の広がり 11(2/3ページ)

2012年5月3日付 中外日報

「3日くらいしか持ちません」。3月12日、電話した立岡さんが炊き出しの物資不足を訴えるのを聞いた奥田牧師は、以前からホームレス支援で付き合いのある生協にすぐ連絡した。そこから幅広いネットワークが動き出した。川浪さんや立岡さんの活動をバックアップした、その立ち位置を探る。

奥田牧師の判断は素早かった。原発事故も含め震災で第3次避難対策が重要だと直感した。避難所、仮設住宅を経て、元に戻れない人たちへの支えだ。直後に北九州市と協議して「パーソナルサポート」の体制を構築、間もなく被災地から人々が次々と移転してきた。

「ホームレスとは、住居(ハウス)や職業に象徴される物理的経済的困窮と共に、支える家族や寄る辺、つまり『ホーム』がない状態」と牧師は言う。

不況や熾烈な格差社会によって、いわゆる「寄せ場」だけでなく、この国全体が「ホームレス化」していると危機感を抱いていた奥田牧師の、震災によってそれが更に顕在化するという読みは的中した。一昨年に盛んに言われた「無縁社会」あるいは「自己責任」の名のもとで人間を切り捨てる「絶縁社会」だ。

パーソナルサポート制度を、奥田牧師は「家族モデル」と説明する。困窮者向けにはハローワークや生活保護制度、医療福祉などのシステムがあるが、相次ぐ「孤立死」を見ても、実際に支えを必要としながら社会から孤立している人には届いていないのが実態だ。

「その『つなぎ』の仕組み、関係性がないためです」。そこで、衣食住や介護などと並び本来は家族が担ってきたつなぎの役割を果たす、しかも個人と個人、顔と名前を知り合う関係で支える。