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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

支援の広がり 13(1/3ページ)

2012年5月10日付 中外日報
津波で壊滅した地区でも、神社の祠が仮復旧されていた(宮城県石巻市で)
神社の祠が仮復旧されていた(宮城県石巻市で)

宗教貫くため神職辞す

自分の道を探しに出る

東八幡キリスト教会の奥田知志牧師(48)と共に宮城県の蛤浜へ支援に入ったのは「ホームレス支援全国ネットワーク」事務局長の森松長生さん(51)だ。北九州で路上生活者支援を続ける森松さんは、援助をしても逃げ出したり酒浸りになる人にとことん付き合う。

「それをしないなら支援するというのと、支援するからするな、とは違う。決して切らない、追い出さない、勝手にしろと言わない、がモットーです」と語る。ある時、逃げ出した男性をどこまでも探し続けた。見つけられなくても、後で会った時に「あの時、探したんだよ」と言えることが大事だからだ。

その森松さんが引く「ルカによる福音書」の「見失った羊」の説話では、羊飼いが野原で飼う100匹の中の1匹がいないのに気付き、99匹を残したままどこまでも諦めずに探し続ける。そしてようやく見つけ、連れ帰って近所の人々にその喜びを話して回る。イエスが迷える人々を救うメタファーとされるが、周囲との喜びの共有や「迷わなかった99匹」の意味するところは深淵だ。

禅宗には童子が牛を探す「十牛図」がある。それは「悟り」の探求ともされている。奥田牧師や森松さんが「探しに行く」のは、そこにある「真理」なのか。