ニュース画像
倒壊した浄土真宗本願寺派法城寺の鐘突き堂(むかわ町)
主な連載 過去の連載 エンディングへの備え
時代を生きる 宗教を語る
購読のお申し込み
新規購読キャンペーン
紙面保存版
トップ> いのち寄り添うリスト> 支援の広がり 13
いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

支援の広がり 13(2/3ページ)

2012年5月10日付 中外日報

キリスト教会でしばしば使われる「メタノイア」という言葉。一般には「悔い改め」と理解されるが、奥田牧師は「方向転換、根本的に考え方ややり方を変えるということ」と説く。例えば「原発依存社会」の見直し、「支援する側、される側」という発想の転換、全てに通底する。

森松さんは9年前まで教会牧師だった。それ以前、ホームレス支援活動を始めた頃に、野宿者が集中する土地のある教会が門を固く閉ざし塀にバリケードを築いているのに接して衝撃を受けた。

そして、「神は最も小さくされた人々の側にいる」と聖書が説くように寄り添いを続ける中で、活動に専念するため職を辞した。「牧師になるために牧師を辞めたのです」と言う森松さんは「僕にとってこの活動は宗教そのものです」と断言できる。

宗教者としての「理想」を追う中で、職としての宗教家、神職を辞めたのはホームレス自立支援NPO「ワンファミリー仙台」理事長の立岡学さん(38)も同じだった。

4月初め、立岡さんは仙台市役所近くにある事務所を訪れた滝川クリステルさんらの支援団体と情報交換していた。被災地とホームレス支援の各関係団体を毎日回ってはスタッフに指示を出し、行政など外部との交渉にも奔走する。震災から1年が過ぎ、同NPOは支援を続ける石巻、女川など各地の現況調査に入っており大忙しだ。

立岡さんは権禰宜として勤務していた宮城県の神社を、NPOを発足させた平成21年2月に退職した。だが決して、神道・宗教を「捨てた」のではない。「神社や神道は人々の生きる支えであるべきです」。祭神の倉稲魂神つまり「お稲荷様」、保食神、稚産霊神は、衣食住の守り神だ。