ニュース画像
敬白文を読み上げ決意を示す菅管長
主な連載 過去の連載
エンディングへの備え
時代を生きる 宗教を語る
購読のお申し込み
新規購読キャンペーン
紙面保存版
トップ> いのち寄り添うリスト> 支援の広がり 15
いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

支援の広がり 15(2/3ページ)

2012年5月15日付 中外日報

「寺社は本来、駆け込み寺や鎮守の森のように地域の人々の困り事相談や安らぎの場であるはずなのに、そうなっていない」と感じ、本来の目的のために神職を辞した立岡さんにとって、NPOの事務所や活動の現場こそが「社」のようだ。

だが震災から1年以上たっても、「復興」どころではない人々も多い。「住む所もなくして路上生活になった人もいます」と専従スタッフの今藤雄さん(35)が訴えた。「震災ホームレス」だ。

津波や原発事故で住まいや仕事、生活全てを奪われた人の数は膨大だ。厚労省の昨年7月時点の調査で、被災3県で失業手当の手続きを取った人は13万6千人。今年に入っても避難者33万人のうち失職者は12万人とされ、自営業で職を失った人も含めると「震災失業者」は20万人ともいわれる。

一方で、宮城県の推計では同県内だけで失業・休業が合わせて11万2千人と報道された。同県の地元紙「河北新報」のアンケートでは「無収入」と「収入減少」が計6割以上に達する。これ以外に昨春、震災の影響を理由に就職内定を取り消された高校・大学卒業生は各地で427人に上ることが厚労省のまとめで分かった。

失業した被災者が求職しようにも、例えば沿岸の水産会社の多くが廃業。ハローワークでは、水産関係の希望に対し求人の多くは復興関連の建設、警備関係だ。同省などの調査でも、正社員は少なく、瓦礫処理などの「短期」が大多数など、求職と求人の「ミスマッチ」が深刻だという。

甚大な被害を受けた宮城県気仙沼市の震災2カ月後の有効求人倍率は0・17と最悪。手元にある岩手の求人案内では正社員以外とパートが目立ち、月給は「配達要員12万円」「軽運転手(9時間半)13万7千円」、「正社員」では「一般事務(9時間)11万5千円」などだ。

福島の求人情報には「野菜加工11万8千円」「海産物販売(パート時給)680円」とあった。このように弱い所へしわ寄せが集中するのが、「経済大国」といわれた日本の実態だ。