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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

支える思い 15(2/3ページ)

2012年8月30日付 中外日報

集会所での手芸の会も、「皆さん、話を聞いてほしくて集まっているのです」。即効的なものはない、時間がかかると吉田さんは感じている。

考えてみると、自分は「ご縁づくり」をしているのだと気付いた。災禍から生き残り生き続ける人々に真正面から向き合うのが僧侶の仕事だと思う。被災者を縦糸、ボランティアを横糸とすれば、「手を握り合い、スキンシップもしながら一人一人の心にまで入って支える宗教者は、いわば『斜めの関係』」と考えている。

吉田さんは今年2月、東京で開かれたシンポジウム「東日本大震災における宗教者の支援」で、「生きていることへの罪悪感と孤独感が強まっている。孤立して自死も連鎖的に起きている」と危機感を訴えた。

仮設住宅で独りで生活し誰にもみとられずに孤立死した人は宮城県発表だけで震災後1年間に12人。多くが高齢者で、岩手・福島を合わせると20人近いと報道された。

福島県郡山市では1月、原発事故で富岡町から避難させられた独居男性(73)が浴槽で亡くなっているのが発見された。見守り対策のため高齢者の一人暮らしの目印に旗を導入する話もあったが、防犯上の配慮で見送られていたという。

仮設住宅は今年3月で3県合わせて約4万8千戸に計11万5700人、6月時点では20万人以上が暮らすが、地域でまとまった入居ではなく自治会さえない所も多い。災害救助法と関係法規では1戸当たりの面積は約30平方メートルと決められ、ほとんどがプレハブ。だがこの法は戦後混乱期の1947年の施行だ。

大規模な被災で建設も追い付かず、行政が家賃を負担する民間賃貸住宅、「みなし仮設」への入居が進められた。しかしその住民は「見えない被災者」といわれ、ボランティアなどの支援の手も入りにくい。