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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

支える思い 16(2/3ページ)

2012年9月1日付 中外日報

内閣府「高齢社会白書」平成23年度版によると、史上最高の2958万人に上る65歳以上人口。うち501万8千世帯が一人暮らしだ。60歳以上を対象とした同府調査では、「困ったときに頼れる人がいない」人が男性独居者では全体の24・4%と、平均の3・3%よりはるかに多く、「近所とほとんど付き合いがない」も21・6%。

「日頃の会話が少ない(2~3日に1回以下)」に至っては平均7・9%に対して男性独居者は41・2%、うち11ポイント以上が「1週間に1回以下、ほとんど話をしない」と答えている。

厚労省の「人口動態統計」などを基に昨年3月、ニッセイ基礎研究所が発表した推計では「死後4日以上経過して発見」と定義した高齢者の「孤独死」が年間1万5千人を超えるとされた。

高齢の独居世帯が当たり前の時代、孤立が社会全体に広がり、経済格差による生活苦にあえぐ若者の晩婚・非婚化もそれに拍車を掛けている。

震災以降の「絆」の大合唱の中でさえ、この3月には札幌や東京、横浜などで「孤立死」が続いた。しかも相次いだのは独居者ではなく、障害のある幼児や中年女性や認知症の母が、介護をする家族の病死によって食べ物もなく衰弱死するという悲惨さだった。「無縁」がじわりと広がる、これが日本社会だ。

「孤立死」防止のためのIC技術による見守り機器が話題になり、被災地にも導入の動きがあるが、大事なのは人と人とのつながり、「縁」だ。

地域の紐帯によって何とかその「縁」が保たれていた東北で、震災と原発事故がそれをずたずたにした。そんな事態を前に吉田さんは、手芸の会で人々の悩みに耳を傾け、これまで培ったネットワークで社会福祉の機関、医療や法律の専門家に相談事をつなぐ。それも「ご縁づくり」だ。