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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

心のケア・宗教の力 8(2/3ページ)

2012年9月29日付 中外日報

男性はこの災厄の「意味」を求めており、「誰に話しても聞いてくれないので」と、宗教者が担当することを明示している「心の相談室」にかけてきたという。

「妻が生きている気がするようになりました」「今まで以上に、奥さんや娘さんとつながっているでしょう?」。「妻はそうだが、娘のことは理解できません。なぜ抱っこできないんだ……」。同じ年の娘がいる川上牧師は胸がふさがった。男性は泣いていた。

宗教者による「心のケア」「傾聴」がさまざまに論じられる。川上牧師は「キリスト教が取り組む『ソウル』は、『スピリット』(精神)と『ボディ』(体)を含む全体です。体つまり生活支援を含む関係性を支えるのが当然に重要です」と断言する。それぞれの人生の「物語」が噴出したような具体的な事象に向き合い、生活から精神まで積み上げていくことこそ宗教者の仕事だという。

「お坊さんも実にうまくやっておられる。ソシアル(社会的)な力で魂を救う。そのためにはスキル(能力)とバックアップするネットワークが必要です」

電話相談は、「心の相談室」がFM局で放送を始めた昨年10月以降に劇的に増え、時間中は電話が空く時がないほどになった。「他の相談先で心が満たされない」という訴えも聞いて、川上牧師は「ただひたすら聴くというスタイルでは、不全感を残すことも多いのです。私たちは宗教者としてこちらから応答します」と話す。

なぜか。それは、相談に多い「死者をどのように自分の中で位置付ければいいのか」「悲しみだけでなく怒りや憎しみをどう抱えて生きていけばいいのか」という問題に対処するためだ。

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