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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

心のケア・宗教の力 9(2/3ページ)

2012年10月4日付 中外日報

「諸宗教の協力は不可欠で、それによって地域や行政や国も動かしていかなければなりません」とする川上牧師は、企業やNPOと宗教者の団体が異なるのは、その対象の幅広さだという。

「宗教とはどんなものか」という根本的な問いに、川上牧師は「目に見えないものを見せること。儀礼をすること。そして帰属先である共同体をつくり維持することで、その帰属している人を支えること」と明確に答えた。そして、実際の社会での具体的な働きについては、例えば「政治とは異なるセクター(領域)で世の中を変えること」という。それこそが真の「政教分離」なのに、それをしないから政治だけで社会が動かされてしまう、と考える。

もともとはバプテスト派の流れをくむ牧師の子に生まれた。自己の信仰は教会に与えられるのではなく自ら決めるという寛容な立場。その後、布教のため各地を転々とし、教団も移った父に影響を受けた。大学で神学を研究し学者になるつもりだったが、10年前に国家公務員の妻の仕事の関係で仙台へ。

神学校で教壇にも立っていたが、現在の仙台市民教会で牧師職が空いたので2年前に就任した。

「物心ついたころからキリスト教徒」だったが、強固な信仰を自らのものとしたのは、中学2年の時にいじめに遭い、1年間誰とも口を利かずに過ごしたのが節目かもしれないと思う。大学での研究への没頭、いろんな教会、教団で「表も暗部も」見続けたこと、それが博士論文を書くという行いの中で「止揚できた」と述懐する堅忍不抜の理論家だ。

担当する教会は会員信徒が少なく法務は忙しくなかった。そして以前からフィリピン支援などの社会活動をしていたこともあり、震災後の川上牧師の働きをほとんどの信徒が歓迎している。