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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

心のケア・宗教の力 11(2/3ページ)

2012年10月11日付 中外日報

自死防止や自死遺族ケアの活動を続けてきたNPO「ライフリンク」は、ウェブサイトに「震災で大切な人を亡くされた方へ」というホームページを設け、各方面の相談先、支援機関への橋渡しをした。

僧侶の神仁さん(51)は、震災当初から全国青少年教化協議会の仲間と数人ずつのグループを組んで避難所などを回った。まず大きな力を入れたのが、心に深い傷を受けた子供たちのケア。

歌の会や風船で動物などを作るバルーンアート、マジックやジャグリングといった大道芸、アニメ映画会などを催し、一緒に遊んだ。温かいチョコフォンデュを作って振る舞うと避難所に笑顔と歓声があふれた。

だが大人たちの状態も深刻だ。仮設住宅に移り始めた7月ごろからは、不眠を訴える人が3分の2にも達した。眠りの効果があるカモミールなどでハーブティー・サロンを開き、悩みを聞く活動を続けた。

ここでも、やはり男性が引きこもりがちなのが気掛かりだった。参加しないし、出てきても部屋の隅っこで「俺はいいんじゃ」とそっぽを向く。昨年12月末、石巻の仮設住宅での出来事だ。集会所で「クリスマス会」をにぎやかに催していたところ、60歳すぎの男性がいきなりドアを開け、「なんでクリスマスなんかやるんだ! お前ら坊主だろう」と怒鳴り込んできた。

「多くの死者が出たのに浮かれるな、しかも坊さんが、という怒りですが、それは表面上のことなんです」と神さん。住民みんなが楽しめる聖なる集まりとして企画し、子供も一緒にお茶やケーキを食べ、讃美歌を僧侶たちも口ずさんだ。だが、それを説明すればいいというものではない。