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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

心のケア・宗教の力 13(2/3ページ)

2012年10月16日付 中外日報

一方、各地で行われたシンポジウムやインターネットでの論議では、状況に応じたきめ細かさの重要性も指摘された。

「被災直後は、心のケアというよりまず弔いや葬儀が重要だった」(曹洞宗僧侶)、「まず『そこにいる』のが基本で、子供と遊ぶなど日常の中からこそケアが可能」(浄土宗僧侶)、「支えになるのは人とのつながり。あなたは一人ではないというメッセージが伝われば、悲しみの淵から立ち上がる力になる」(悲嘆ケア専門家)

そして福島では、「放射能への恐怖が被災者にも支援者にも強く、ケアに当たっても差別や二次被害に十分留意しなければならない」(精神科医)、「風評を起こす人々の心にも配慮が必要」(曹洞宗僧侶)。

宗教学者のブログでは、新宗教の「聴きだすけ」が紹介された。自分は神様の加護で生かされているのだから素晴らしいことだと気付き、人を助けたらわが身も助かるという「人だすけ」の教えを実践することが大事。その「たすけ」は大それた援助でなくとも、困っている身近な人の悩みを「聴く」ことで、相手も心の重荷をいくらか軽減できることがある、と説かれる。

グリーフケア、仏教的なスピリチュアルケアの専門家である井上ウィマラ・高野山大准教授(52)は、自らも被災地へ調査とボランティア活動に行った。その経験も踏まえ、「心のケア」支援について系統的に留意点を示す。

「サバイバーズギルト」、生き残った人の悲嘆にどう対応するかが大事で、今回のように非常に厳しい死別体験によってもたらされた「複雑性悲嘆」はPTSD(心的外傷後ストレス障害)やうつ病と三つどもえになり、専門的対応が必要だと指摘する。