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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

心のケア・宗教の力 14(2/3ページ)

2012年10月18日付 中外日報

僧侶たちはほとんどがそれぞれの宗派の法服姿で動く。当初から今も月1回は現地入りする浄土真宗本願寺派総合研究所研究員の金沢豊さん(31)は「ルールとして決めたわけではありませんが、袈裟は押し付けではなく、宗教者として役割を与えられるための『サイン』です」と言う。

仮設住宅で仏壇に読経を頼まれることもあり、曹洞宗信徒の多い土地で真宗の経を読む際は「聞き慣れないかもしれませんが」と断る。請われれば般若心経も読む。多宗派が一緒に入るので特定教団の布教活動と見られることはないという。「目の前で苦しむ方の気持ちに応えたいという僧侶としての思いです」

相手に「私の気持ちはあなたには分からん」と言われることも多い。だが「分からなくても、その人に吐き出したい気持ちがあることは思い知る。傾聴は、それを全身で受け止める能動的な行為です」と語る。

密接に情報交換できる仲間同士が中心だが、初めての人にも門戸を広く開いているのが、緩やかなこの会の特徴だ。「ぼちぼち行きましょう」が合言葉で、ホームページにも「一見さん歓迎。何かしたいが何をしていいか分からない、そんな思いをお持ちの僧侶、一般の方」と呼び掛ける。

金沢さん自身は宗門で傾聴活動のスキルを積んでいるが、参加者の「心のケア」への姿勢、資質はどう捉えられているのか。会では「相手を絶対に傷つけない」を重視し、行動のガイドラインを作っている。役割分担をし、初心者はいきなり傾聴ではなく物資配布などを受け持ち、経験者の傍らで会話を見守る。

「方法を提示はしますが、あくまでボランティアなので自分で考え、学んで気付くのが重要。まずは寄り添う気持ちが大事です」と金沢さんは言う。だから失敗もある。相手が感情を完全に閉ざしてしまったりすると、チームでじっくり協議して解決する。