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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

心のケア・宗教の力 14(3/3ページ)

2012年10月18日付 中外日報

同じ人の所へメンバーが入れ替わり訪問する場合も、その人の情報の引き継ぎメモは作らない。プライバシー問題もあるが、書く者の主観を排し、聞きに行く側の独り善がりを避けるためだ。

1日にかなりの場所を何カ所も巡回することもある。できるだけ広く被災地を回るのか、少なくても繰り返し徹底的に付き合いを深めるのか、それも悩み、互いに論議しながら試行錯誤だという。

「KTSK」は宗教者ではあっても、「ケア専門家」の集まりとは異なる。「心のケア」では確かに、心理学的知見など狭い意味でのいわゆる専門的技術が必要な場面と、ひたすら「寄り添う」姿勢が第一になる状況との区分けは困難なのかもしれない。

では、現実に現場で心のケアにどのように取り組めばいいのか。そんな要請に、教団や宗教者の研究・実践団体をはじめとして各方面で以前から多様な研修、訓練が繰り広げられており、震災後はさらに広がった。

比較的早く、2004年にスタートした「浄山カウンセリング研究会」は、浄土宗大本山清浄華院(京都市上京区)が宗門全体の教師、寺族、門徒らを対象に知識と技術を身に付ける場として開いたものだ。震災後、多くの研修受講者が被災地に入った。

今年5月に開催された研修会は、米国で心理療法、瞑想の指導者を務める仏教尼僧でもあるアンナ・スイルさんを講師に招いた。大方丈の100畳敷きほどの間に全国からの受講者60人余りが並び、女性もかなり多い。僧侶は十数人だ。

通訳で語るスイルさんは「同じ間違いを繰り返してしまうネガティブな自分のパターンに気付き、目覚めることが大事。自分を批判することから自由になった時から他者への理解が始まる」と、いきなり本質に切り込んだ。

(北村敏泰)