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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

心のケア・宗教の力 17(1/3ページ)

2012年10月27日付 中外日報
子供たちのジオラマには黒い津波や瓦礫が生々しく表現されている(宮城県名取市で)
子供たちのジオラマには黒い津波や瓦礫が生々しく表現されている

悲しみをジオラマで形に

1%の希望集めて生きる

真っ黒な濁流に流される家々、車、人々の姿も見える。今年3月、宮城県名取市のショッピングセンターで展示された閖上地区周辺の子供たちが作ったジオラマは、津波被害の凄まじさと同時に、それが子供らの心に与えた傷の深さを物語っていた。

「あの日おぼえている光景」と題し、紙粘土をこねて絵の具で彩色した作品はどれもが暗黒やくすんだ色合いで、倒れて全壊した建物、市街地に乗り上げた船、崖崩れなどが表現されている。

多くの犠牲者と深刻な被害が出た閖上は、震災から1年以上がたっても廃虚が広がったまま。壊滅した地区は一面が草原になり、それを見下ろす小高い日和山の丘の頂上には鎮魂の花束が積み重なっていた。慰霊の碑には参拝者が絶えないが、記された死者たちへの言葉は悲鳴のようだ。「何もしてあげられず、ごめんね」「安らかにお眠りいただけますよう」

周辺には土地のかさ上げ事業のため実験的に5メートルの高さに盛り土した台地が造成されたが、一帯に建物は皆無で人々の生活の気配もない。

そこからほど近い東北国際クリニックの2階ホールでは、院長の心療内科医・桑山紀彦医師(49)による、子供たちのワークショップが開かれていた。皆で震災の体験などを語り合う催しで、昨年6月からずっと続けている。この日は小学生の男女6人が参加し、チョコレートケーキを食べながら、1周年の11日のことを話し合った。