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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

心のケア・宗教の力 25(2/3ページ)

2012年11月17日付 中外日報

そこに宗教者の役割がはっきり見えるが、死生学やエンディング問題を専門とし、この調査を担当した小谷みどり・第一生命経済研究所主任研究員は「以前の調査では、宗教の役割は認めても僧侶は心の支えにならないという構図がうかがえた。僧侶への不信が強いということで、葬式離れ、寺離れの根底も同じだ」と指摘する。

そして、「今こそ一人一人のいのちや死に真剣に向き合い、真の葬式仏教を機能させられるかどうか、資質が問われている正念場ではないでしょうか」と。

津波災禍の直後から多くの被災者、犠牲者に寄り添い続けた岩手・釜石仏教会会長の芝崎惠應・日蓮宗仙寿院住職は、調査結果に「この現実の前で"ご利益宗教"は通じない。既存の宗教の真価が問われている」と語る。

一方で実際の宗教者の活動については、今年4月に実施された庭野平和財団による「宗教団体の社会貢献活動調査」がある。一般男女1200人余りから回答があり、震災での宗教団体の支援活動で「知っている」ものは、「避難所に寺社などを提供」が30%、「葬儀・慰霊」が39%などの半面、「ひとつも知らない」は5割にも上った。

災害時に期待する活動では「避難所など」が45%、「ボランティア」23%、「葬儀・慰霊」28%で、「心のケア」は20%。他方、社会活動を布教手段や売名的なものと見て「やめた方がいい」とする答えは6%にとどまった。

支援活動と教えを説くこととの関係は重要な課題だ。昨年6月の仏教伝道協会の研究会では「こういう時だからこそ教えを伝えたい」「混沌とした状況で勧誘は困難」と多様な意見が出、実際に活動する僧侶からは「私は布教を考えない。行動自体が布教になっていると思う」との声が聞かれた。