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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

つながり、そして明日へ 2(1/3ページ)

2012年12月1日付 中外日報
大雄寺の境内からは荒野のように果てしなく広がる廃虚が見える(宮城県南三陸町で)
荒野のように果てしなく広がる廃虚が見える

家がなくても墓参に来る

実体ある絆で故郷を復興

3月30日に宮城県南三陸町の曹洞宗大雄寺で営まれた合同葬で、遺族らはようやく思う存分、涙を流し、互いにねぎらい合った。この日未明に山を隔てた隣の登米市で長女の火葬を済ませたばかりの60代の主婦は、夫と参列し「何とかひとつ務めを果たせたかなと思います」と語った。自宅が流され長女は500メートル離れた所で遺体となって見つかった。

「異例だらけの事でしたが、皆さん少しは落ち着かれ、生き残った人同士のつながりも深まりました」と、小島孝尋住職(51)は振り返る。

「葬儀は人と人との絆を深める場。お寺はその人が集まって仏さんの教えを聞いて心安らぐ場だ」。住職は、その後も連日葬式を執り行う中でそう確信したという。「弔いができてほっとした」という檀家。遠方に避難していて5日もかけて卒塔婆を受け取りに来た檀家もいた。

小島住職は3カ月ずっと寺に腰を据えて6月までに300人以上の葬儀をし、百か日の頃から俗名を戒名に切り替えた。一人一人、生前の付き合いを思いながら考えると2、3時間かかることもある。以前はあった「波」「海」の字は避けて「陽」など温かい感じにした。そして、無事だった墓地で納骨も始まる。