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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

つながり、そして明日へ 4(3/3ページ)

2012年12月6日付 中外日報

災救隊は活動現場で、天理教であることをことさらアピールもしないが隠しもしない。だがどこでも強い信頼関係が出来上がっている。「きちんと状況を把握して最大限の力を出してくれる。宗教でも一般でもそれは本当にありがたい」。赤井南小で作業に立ち会う同校関係者(48)はそう語った。「私は宗教には縁はありませんが、ひのきしんの皆さんを見ると、信仰の力は素晴らしいと思います」。作業開始の祈りには隊員と共に黙礼する姿があった。

言葉での「布教」をいう前に、つながりの中で行いによって「教え」の根幹が伝わる。それは、どの宗教者たちでも同じことだ。もう一つ、そんな例に巡り合った。

太平洋に突き出し、浦々が津波の直撃を受けながら長く孤立した宮城県の牡鹿半島。その石巻市小渕浜の女性Sさん(33)から、大阪の「金光教大阪災害救援隊」のリーダー竹内真治さん(37)にこの秋、「金光教の皆様へ」とする便りが届いた。400キロを経て長く支援を続け今年夏にも浜で夏まつりを催した。

「まつりで住民の素敵な笑顔をいっぱい、久しぶりに見ることができました。感謝の美しい涙も見ました。皆様の思いや祈り、優しさによって、ここまで心が癒されて来たのだと感じます。必ず復活して見せますね! いつの日か私も皆様のような、人のお役に立てる人間になれたらいいなと思っています」

158世帯578人が暮らす小渕浜は家屋の8割が被災、生活の糧の漁船も多くが流失、港も使用不能になった。漁師たちが総出で港の瓦礫を除け、プレハブで仮設水産加工場を建て、養殖ワカメやカキの種付けも再開したが、漁獲量は例年の1割にも満たない。

残った船で協力し合って漁に出ても原発事故による汚染の影響で出荷できず、かかった網からヒラメを外して損害賠償のために重さを量っては海に捨てるという、やり切れないむなしさの日々が2年目になっても続く。

(北村敏泰)