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いのち寄り添う ― 大震災 苦の現場から

つながり、そして明日へ 6(3/3ページ)

2012年12月11日付 中外日報

参加メンバーの鈴木恵理乃さん(28)は「何度も通って、気休めやその場限りの言葉でなく気持ちから寄り添わないと駄目だと分かりました。神様の導きで多くの縁を頂きました」と話す。そして半月を経て8月26日、同災害救援隊が企画し、小渕浜で2年目の「夏まつり」が開かれた。

駐車場を会場に提供した民宿の主人目黒政明さん(66)は、建物が半壊したにもかかわらず64畳の広間に地区住民50人以上を受け入れ寝食の世話をした。「困った時はお互い様だっちゃ」。最後は5カ月目まで。そのまま民宿従業員として就職した女性もいる。金光教は布団50組を寄贈するなどサポートし続けた。深いつながりができていた。

まつりは、大阪から信者のボランティアなど70人余りがそろいのピンクのTシャツで訪れ、住民と一緒にテント14張を設営して盛大に行われた。ブラスバンドなど音楽演奏、のど自慢、焼きそばなどの屋台、ビンゴやゲームコーナー。うだる暑さの中、佐々木さん夫妻もSさん一家も、人々は久しぶりに心から笑い、そして涙した。

竹内さんは「ここまで来れたのは教団と信奉者両方の方々の支えがあってこそ。定期的活動は終わっても被災地の状況は何ら変わりません。これからも決して忘れない、そういうつながりが最も大切です」と語る。「何も要らない。私たちのことを忘れないでほしい」という人々の声が脳裏から離れない。

竹内さんのスマートフォンなどには数十人分の電話番号が入っている。10月25日夜、大きな余震が起きた。牡鹿半島小渕浜が「5弱」と最大震度を記録した。心配して竹内さんが電話しようと思った矢先、目黒さんの方からかかってきた。

「地震? もう慣れてるから大丈夫だよ。それより、まつりの記録パンフレットありがとう。皆で読んで泣いたよ」。そして気遣った。「そっちも寒くなったんでないか? 体に気を付けてな」

(北村敏泰)