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マインドフルネス流行、注目する宗教者(1/2ページ)

2016年11月18日付 中外日報(時事展描)

書店に「マインドフルネス」に関する本が並び、メディアがその効能を紹介する機会も多くなった。花園大(京都市中京区)で10月下旬、心理カウンセリングセンターがシンポジウムを開くなど、宗教関係者がその流行に注目している。マインドフルネスを実践する僧侶らは、宗教色を排した「瞑想」が持つ意味や、現在のブームをどう受け止めているのか。(萩原典吉)

現代人にマッチした仏教

花園大で「マインドフルネスと現代―自分のこころとの向き合い方―」と題し、意見を交換した10月22日のシンポジウム
花園大で「マインドフルネスと現代―自分のこころとの向き合い方―」と題し、意見を交換した10月22日のシンポジウム

マインドフルネスは、様々な形で説明されているが、パネリストを務めた臨済宗妙心寺派大本山妙心寺塔頭春光院の川上全龍副住職は、自らの著書で「自分の内面で起こっていることに気付き、それを客観的に見つめ直して心のコンディションを整え、より自制心や創造性を発揮しやすい状態を作るエクササイズ」と説明する。その手法として、瞑想(坐禅)のトレーニングが有効とされる。

川上副住職は、自坊で毎年多くの外国人実践者を受け入れているが、マインドフルネスについて「もともとセラピーとして始まり、仏教や禅をベースに、誰にも受容できる形になっている」とする。その効能ばかりが注目されることについては、「深く探っていくと無我の境地に達する。現代人にアプローチしやすい形の仏教と考えてよい」と言う。

また、米国でマインドフルネスの講師を務める松原正樹・妙心寺派佛母寺住職は、マインドフルネスを「仏教モダニズムの一つ」と位置付ける。アジアや日本で育った仏教の伝統文化が米国に渡り、科学的に生まれ変わって日本に入ってきたもので、「いわば米国からの(仏教の)逆輸入」と指摘する。

松原住職によると、カリフォルニアではマインドフルネスが定着している。多くのセミナーはビジネスマン向けで、集中力やチームワーク、リーダーシップを養うのが目的。参加者は精神面の向上を求めるが、実効力を求めるあまり、瞑想が本来持つはずの精神的基盤を無くそうとする矛盾にぶつかるそうだ。