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苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
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被災地を忘れまい、石巻に「見まもり観音堂」(1/2ページ)

2016年12月9日付 中外日報(時事展描)

長野県佐久市の増田友厚・曹洞宗蕃松院住職らが、東日本大震災後に宮城県石巻市の同宗洞仙寺境内で建設を進めていた「見まもり観音堂」が完成した。11月22日に石附周行・大本山總持寺副貫首の導師で営まれた落慶法要には、支援者約300人が長野からバス8台で駆け付け、今後も観音菩薩と共に被災地を見守り続けていくことを誓った。依然復興が展望できない洞仙寺にとって希望のともしびとなった。(赤坂史人)

曹洞宗洞仙寺で落慶法要

完成した見まもり観音堂を順番に見学する長野県からの支援者ら
完成した見まもり観音堂を順番に見学する長野県からの支援者ら

法要当日の22日早朝、福島県沖でマグニチュード7・4の地震が発生し、2012年12月以来の津波警報が発令された。洞仙寺は牡鹿半島(桃浦地区)にあり、入り江から100メートルほど。周辺には「引き続き沿岸付近には近づかないでください」と津波注意報が昼すぎまで響き、午前中の法要準備は中止せざるを得なかった。

津波で本堂や庫裏が流され、同地区にあった65軒のうち62軒が流失した。崩れた本堂の梁の上に無傷で鎮座していたのが、同寺の聖観音菩薩。増田住職が被災地を支援する中でこの話を聞き、震災の全てを見つめていた聖観音菩薩を祀るお堂を、被災者の心の拠り所、そして被災地と全国の人たちとの心の懸け橋にしようと、プロジェクトを立ち上げた。

増田住職ら支援者が犠牲者と同じ約2万個の石を青森、岩手、宮城、福島、茨城、千葉の各県の海岸から集めた。さらに全ての石に写経して観音菩薩の足元に納め、石を採取した60カ所では慰霊法要を営んだ。口コミなどで地道に支援の輪が広がり、最終的には全国の4万2千人が協賛して約5200万円が寄せられた。