ニュース画像
北山十八間戸の法要には100人以上の参列者が詰め掛けた
主な連載 過去の連載 エンディングへの備え
苦縁―東日本大震災 寄り添う宗教者たち
購読のお申し込み
新規購読キャンペーン
紙面保存版
トップ> 時事展描リスト> 「除夜の鐘」当世事情、騒音の苦情で中止も

「除夜の鐘」当世事情、騒音の苦情で中止も(1/2ページ)

2016年12月23日付 中外日報(時事展描)

間もなく大みそか。多くの寺院では年越しを告げる除夜の鐘が打ち鳴らされるが、近年は近隣からの苦情で中止や時間帯の変更を余儀なくされる寺院も出ている。一方で、年越し行事を教化や地域活性化の契機として盛り上げている寺院もある。(池田圭)

昼間に変更、参拝者増

大みそかの正午から始まる大澤寺の「除夕の鐘」
大みそかの正午から始まる大澤寺の「除夕の鐘」

東京都小金井市の曹洞宗千手院は、騒音を訴える近隣住民からの苦情で2014年末から除夜の鐘の中止を余儀なくされた。

同寺では11~13年に境内の保育園舎の建て替えに伴って伽藍も整備。南側の本堂・鐘楼と北側の園舎の場所を入れ替える形で、本堂と園舎をそれぞれ建て替えた。

ところが14年夏頃、新本堂入り口の右手に設置した梵鐘に対して境内北側の近くに住む住民3人が「こんな所に設置するとは聞いていない」と苦情を寄せた。

足利正尊住職(41)は半年近く3人と協議。裁判所の調停では梵鐘の周りを防音パネルで囲うことなどを条件に和解したが、「囲いの中で鐘をつけば鼓膜が破れてしまう恐れもある」などと除夜の鐘を断念することを決めた。

以前は200~300人が除夜の鐘をつきに来ていただけに「ただただ残念」と唇をかむ。

静岡県牧之原市の真宗大谷派大澤寺も、近所からの苦情で10年ほど除夜の鐘を中止した時期がある。門徒らの要望で14年末に再開したが、「除夕の鐘」として時間を31日正午に変更した。

今井一光住職(58)は「比較的寒さが厳しくない昼間の時間帯に変更したことで人が集まりやすくなり、参拝者からも好評。昨年は約130人が鐘をついた。苦情もない」と喜ぶが、「再開に際しては寺の世話人会や総代会、婦人会などで中止した過去の経緯を説明するなど慎重に協議した」という。