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墓守る、最後は寺が受け皿に 広がる合同墓(1/2ページ)

2017年2月17日付 中外日報(時事展描)

永代供養のための合同墓を建立する寺院が増えつつある。少子高齢化などで将来墓を守る身内や縁者がいなくなると懸念する檀家・門徒の「墓じまい」の動きに連動し、そのニーズが拡大している。時代の要求に応じて現れた合同墓だが、“永代にわたる供養”を委ねるには、何よりも住職と施主との信頼関係が求められている。(萩原典吉)

「後継いない」相談相次ぎ

妙圓寺の境内墓地に建立した合同墓。「この中にも、骨壺のまま安置できる棚があります」と話す葦名住職
妙圓寺の境内墓地に建立した合同墓。「この中にも、骨壺のまま安置できる棚があります」と話す葦名住職

大阪府高槻市・真宗佛光寺派妙圓寺の葦名彰住職(53)は、3年ほど前に門徒から「子どもがいない」「娘が嫁いで、もうこちらに帰らない」と相次いで相談を受けた。「これは対応を急がねば」と思い、昨年4月、本堂横の境内墓地に合同墓を建てた。

妙圓寺がある郡家本町は古くからの町であると同時に、1970年の大阪万博で仕事を求めて九州などから移住してきた人も多く、その人たちが“終活”時期を迎えている。

合同墓には現在1人が入り、希望している人や夫婦が10件ほどある。しばらくは本堂の須彌壇で預かり、いつ合葬するかは遺族と相談する。また合同墓の中にも棚を設け、骨壺のままで当分安置できるように工夫した。葦名住職は「遺された人の思いを大切にしたい」と言う。永代供養のためには建立場所も大事で、朝夕の勤行の声や鈴を打つ音が聞こえ、線香の香りが漂う。それが門徒の安心を生む。

一般的に、住職が専従で寺院運営が可能な檀家数は200軒ほどとされるが、妙圓寺の門徒数はそれを大きく下回る。葦名住職は今、大阪別院輪番を兼務しているが、自坊の檀家の月参りは欠かさず、何よりも門徒との人間関係を重視している。真宗大谷派寺院の出身で25年前に入寺した葦名住職は、ある先達から教えられた「時間をプレゼントするのが住職の仕事」との言葉を大切にしているという。最近は、真宗他派の門徒からも「うちのご院さんが(高齢や兼業のために)参ってくれなくなったので、参ってほしい」と頼まれるケースも出てきた。

門徒が合同墓に入るにしても、「『これから誰がお墓を見てくれるかが不安。ご院さん、一つ見てくれないか』から始まる」と葦名住職は言う。