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生者と死者を手紙でつなぐ お寺ポスト注目(1/2ページ)

2017年2月24日付 中外日報(時事展描)

お寺が故人と遺族を結ぶ手紙の仲立ちとなる活動が注目を集めている。手紙には亡き人に向けて、感謝の気持ちや残された遺族へ思いがつづられる。死者を供養するお寺だからこその、生者と死者をつなぐ“ポスト”の役割だ。電子メールが一般的となった今、生きている間に伝えきれなかった思いなどを、じっくりと時間をかけて手書きすることの意味が見直される。(有吉英治)

スマホをペンに思い新た

霊山ポストに手紙を投函する参拝者(常在寺)
霊山ポストに手紙を投函する参拝者(常在寺)

日蓮宗常在寺(東京都世田谷区)の納骨堂「釈迦殿」に設置された円筒形の赤い「霊山ポスト」。「おじいちゃんにお手紙書こう」。子どもの声も上がる。檀信徒の評判は上々だ。

ポストを置いたのは昨年9月のお彼岸。便箋や封筒、老眼鏡などを用意した執筆スペースも設けた。手紙は開封することなく、供養した上でお焚き上げする。

ポスト設置を思い付いたのは、位牌に向かって長い時間話し掛けている参拝者が多くいることがきっかけだった。駒野教源住職は「うれしいこと、悲しいこと、家族の出来事など皆さん、話したいことがたくさんある。話すことで、大事な人を失った悲嘆も癒やされる。近年はスマホが普及して手紙を書くことが減ったが、ペンを持てば自分でも意識していなかった思いにも気付く」と話す。

1月の寺報で全檀信徒に知らせたが、それまで半年足らずの間に約100通の投函があった。「お寺という空間は、一般の人にとって非日常。意識が変わり、手紙につづる言葉も湧いてくるのだろう」。お寺が生者と死者をつなぐ場となることを期待している。