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苫小牧駒大経営移管、撤回求める 曹洞宗宗議会決議(1/2ページ)

2017年3月3日付 中外日報(時事展描)

曹洞宗関係学校の駒澤大(東京都世田谷区)が運営する苫小牧駒澤大(北海道苫小牧市)の経営を京都育英館(京都市中京区)に移管した問題で、同宗第127回通常宗議会は2月23日、「設置者変更(移管)の白紙撤回を求める」議案を可決した。さらに最終日の24日には、宗門から大学に推薦した理事・監事の退任勧告を内局(責任役員)に要望する請願を採択した。(赤坂史人)

「信頼失墜避けられない」

苫小牧駒澤大の経営移管の白紙撤回を求める議案について賛否の票を投じる議員ら
苫小牧駒澤大の経営移管の白紙撤回を求める議案について賛否の票を投じる議員ら

駒澤大は1月26日の理事会で、経営難を理由に苫小牧駒澤大の設置法人を京都育英館に移管すると決め、翌日の記者発表前、宗務庁に経緯を説明した。しかし、宗門には事前連絡が一切なかったため混乱し、宗議会では議員の多くがこの問題を追及した。

白紙撤回を求める議案は23日、議員5人以上の賛同を得てできる動議により上程された。議案提出者として説明に立った神野哲州議員は「短期間に秘密裏に少数の者で独善的に、しかも無償譲渡として行われたものであり、関係者との十分な協議がなされていないことは誠に遺憾に堪えない。何よりも大学の持つ社会的な役割に対する配慮が不足している。これによって駒澤大の社会的信頼の失墜は避けられない」と述べた。

議会会期中の22日、議員でもある須川法昭・駒澤大理事長はじめ、役員理事らが議員に非公開で経過を説明した。京都育英館との協議は理事長ら一部の理事が昨秋から水面下で進めていた。議員らに配布された資料によると、事後報告となったのは「極めて重要な事項である以上、決定前の憶測や不確実な情報での話が広がれば、学生に動揺が走り、教職員との間で軋轢が生じたり(中略)移管先や市、市議会へも迷惑がかかる」からとしている。

地元選出の増坂澄俊議員によると、同大は苫小牧市(人口約17万人)が市民12万人の署名を受け、50億円を超える資金を助成するなどしてできた「公私協力方式による悲願の開学」。減少していた入学者数も16年度は定員75人中61人となり、17年度も72人が入学予定。2年後には国の補助金も復活し、経営が改善すると期待されていた矢先の経営移管だった。

また同大仏教専修科は昨年度までの15期で181人の卒業生を輩出し、現在は19人が在籍、新年度の入学生も5人を確保している。「今や(宗門には)なくてはならない存在の宗侶教育、養成機関だ」(増坂議員)