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震災被害、寺院復活に意欲 いわき市の寺(1/2ページ)

2017年3月24日付 中外日報(時事展描)

東日本大震災で被害を受けた浄土宗専称寺(福島県いわき市)で、重要文化財の本堂、総門の復旧・改修工事が2018年度中に完了する見込みだ。同寺は浄土宗有数の寺院でありながら明治以降、次第に力を失い、住職、副住職は他の寺院が兼務してきた。遠藤弘道副住職(38)は「これからが本当のスタート。ハード面でなくソフト面の強化が、今後の復興のカギになる」と力を込める。(丹治隆宏)

ソフト面強化がカギ

本堂を覆う素屋根内部では工事が進む。遠藤副住職は「ソフト面の強化が今後の復興のカギになる」と語る
本堂を覆う素屋根内部では工事が進む。遠藤副住職は「ソフト面の強化が今後の復興のカギになる」と語る

2011年3月11日、いわき市は震度6弱の地震と相次ぐ余震に見舞われた。震災の前から傷みが激しかった本堂は傾きがひどくなり、柱や壁にひびが入った。被害状況を確認した遠藤副住職は「何とかここで直さなければ、朽ちていってしまう」と思った。

専称寺は、JRいわき駅から車で約10分の小高い山の中に立つ。約150段の急な石段を上った先にひっそりとたたずむが、かやぶきの庫裏など重厚な伽藍がかつての繁栄をしのばせる。浄土宗名越派の中心的寺院とされ、「奥州惣本山」と呼ばれた。ここで学んだ多くの僧侶が、東北地方に浄土信仰を伝えた。だが明治時代に名越派が、現在の浄土宗の基盤になっている白旗派に統合されたことで次第に衰退し、檀家数が少ないこともあって住職、副住職の兼務が続いている。

遠藤副住職の自坊・九品寺(同市)の遠藤顕道住職(77)が住職を兼務するようになったのは31年前の1986年。2004年には本堂(1671年建立)、庫裏(1690年建立)、総門(江戸時代中期建立)が重要文化財に指定され、修理に公的補助が見込めるようになったが、寺自体の収入は少なく、復旧・改修の計画を立てることができなかった。