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第91回 1、健康寿命 日々の精進で悔いはなし

愛知学院大教授川口高風

2012.10.23~2012.11.13

  • 1、健康寿命 日々の精進で悔いはなし
  • 3、袈裟がけ 仏法そのものを確信する
  • 2、寺史の刊行 宇井先生の報恩行に感激
  • 4、修行は生涯 自分を叱咤激励して歩む

私は来年、65歳になる。世間にいう高齢者の仲間入りである。しかし、体力、精神力は高齢者になるとは少しも思っていない。ただ、境内や墓地の草取りなどをすると、腰が痛くなったり、疲労感を強く感じることがある。

私は草取りを自分の心の掃除と思っている。普段掃除を手抜きしている私にとって、汗をぬぐいながら1本1本抜く草取りは、自分の心を見つめ直す、心が少しずつきれいになっていくように思える。しかし、その草取りもあと何年勤めることができるであろうか。

最近、厚生労働省より「健康寿命」が発表された。「健康寿命」とは一生のうち、健康で生活に支障なく暮らせる年数のことで、平均寿命から寝たきりや認知症などによって介護される期間を差し引いて算出している。

それによれば、2010年は男性が70・42歳、女性は73・62歳との結果が発表された。9年前のデータと比べると、平均寿命は約1年半延びており、男性は79・64歳、女性は86・39歳である。

ところが、「健康寿命」の延びは約1年にとどまっている。その分、医療や介護の必要になる期間が長くなったことになる。平均寿命との差から求めた「不健康な期間」は、男性が9・22年、女性は12・77年となる。そうなると、男性の私が健康で元気に頑張れるのはあと6年ほどである。

70歳は古稀といい、平均寿命の短い昔は、古来稀に迎える年齢であった。孔子は『論語』で「七十にして心の欲する所に従って矩を踰えず」といい、70歳は日々を自分のしたいようにして生きることという。しかし、それが人の迷惑になってはいけないというのである。

それから9年後が平均寿命の年となる。私にとって、健康寿命を迎えるこれからの5年間が人生最後のラストスパートといえる。そのため、今まで以上の一層の精進をせねばと思っている。しかし、その途中に倒れても、決して悔いはしない。それは日々精進しているからである。