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時流ワイド

認証制度の意味を問う(3/4ページ)

2012年10月20日付 中外日報

受理まで経過観察、厳格化の実態 「3月以内」の規定はどこへ

3年ルールを指示する「宗教法人の規則等の認証に関する審査基準(留意事項)」(文化庁宗務課提供)
3年ルールを指示する「宗教法人の規則等の認証に関する審査基準(留意事項)」(文化庁宗務課提供)

では、千葉牧師が疑問を呈する3年ルールとはどのようなものだろうか。

宗教法人法は、同法の目的が「宗教団体に法律上の能力を与えること」(第1条)にあると規定している。宗教法人設立には同法の規定に基づく法人規則を作成し、所轄庁からその規則の認証を受けなければならない。

同法第13条は認証申請に際しては、第2条が定義する「宗教団体」であることを証する書類などを申請書に添えて所轄庁に提出するよう規定。第14条では所轄庁に対し認証の手続きを定めている。

これによれば、所轄庁は「当該団体が宗教団体であること」、認証申請のあった規則が法律、法令に適合していること、公告などの手続きが適正に行われていることを確認し、「申請を受理した日から3月以内」に認証・不認証の決定をしなければならない。ここで、宗教法人は所轄庁の認証によってではなく、法務局で設立登記することで成立するという点は注意しておく必要がある。

宗教法人設立認証に関する宗教法人法の条文規定はここまで。3年ルールは出てこない。

問題は「宗教団体であることを証する書類」などが証明しようとする事実の真実性が疑われるケースである。この場合、所轄庁が疑いを解明するための審査を行うことは権限を逸脱しているとはいえない、とする最高裁の判例(昭和41年3月31日)がある。

京都府文教課が千葉牧師に示した平成9年「審査基準」は、前記の最高裁判例を根拠としている。そして、同審査基準において認証申請を行う団体が宗教団体であるかどうかの判断をする際、「過去3年間程度」の実績を、団体の規約、収支計算書、財産目録、写真など書類・資料を通じて確認することが「留意事項」として挙げられている。「3年」はここで初めて現れるのである。

ところで、審査基準自体が宗教法人法に照らして適切かどうかはさておいて、問題となるのは「過去3年間程度」の解釈だ。申請時ではなく所轄庁側の受理時が、過去にさかのぼる計算の起点となる。役所との交渉にしばしば見られるように、この「受理」が難関だ。

そもそも、宗教団体が過去3年間の活動を証する完全な書類をそろえて所轄庁に(いきなり)認証申請を行えば、それは不自然な遅滞なく受理され、宗教法人法の規定に従って3カ月以内に認証・不認証の決定が下されるのだろうか。

文化庁宗務課は「その可能性は否定できない」(認証係)という。ただし、受理の前に申請内容を確認する現地調査が必要と説明する。受理しても「認証できない」とする決定を下せるのだから、受理後に調査すればよいはず。受理前に、しかも期限を設けずに、行う根拠はない。はっきり言って不透明な部分を多く残す。

この点、京都府文教課の答えはむしろ明瞭で、審査基準が検討を求める「団体の永続性」の観点から、宗教法人として永続的に運営できるかどうかを確認する必要があるという(山本範子・同課参事)。

つまり、宗教法人法が要求する基準に準じた規則で運営されてきた実績を「3年間程度」求める、という立場である。「経験則上」、設立認証申請時にそのような実績はないから、現実には認証の相談があった時点から法人として安定的に存続できることが確認できるまで、3年間程度をかけて経過を観察することになる、という(同参事)。

審査基準の「過去3年間程度」の活動実績確認は、認証の事務の現場では受理までおよそ3年ほどの経過観察に化けているのが認証厳格化の実態なのである。

宗教法人法は所轄庁にそれを求めているわけではない。文化庁宗務課も「宗教団体性の確認をするため、その団体の規則にのっとって運営されていることを確認するのが目的」と京都府とは異なるニュアンスだ。しかし、それは文化庁の建前だろう。京都府の説明の方が、宗教法人の認証に対する行政の本音を分かりやすく示している。