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時流ワイド

認証制度の意味を問う(4/4ページ)

2012年10月20日付 中外日報

法的根拠がない審査基準 認証の変質を危惧

法人設立に関して主務官庁がとる対応は、厳しい順に許可主義、認可主義、認証主義、準則主義に分かれるが、宗教法人に関わる認証は認可よりハードルが高い、という評価が存在する。オウム真理教事件を契機に、宗教法人を認証した行政の責任などがしばしば語られ、責任論を背景に認証の厳格化を視野に入れた議論がある。だが、なし崩しの認証厳格化は宗教法人法立法の精神から見て問題はないのだろうか。

平野武・龍谷大名誉教授(憲法学)は前記最高裁判例を引用しつつ、宗教団体であることの調査・確認は「必要な範囲を超えるべきではない」と所轄庁の自制を強く求める(『龍谷法学』第44巻)。

洗建・駒沢大名誉教授(宗教学)も「審査基準」が宗教教師の一覧の添付や信者の数の審査などを指示していることに触れ、「宗教団体に法律上の能力を与えること」を目的とする宗教法人法の趣旨から逸脱する、と批判している。

同基準が「団体の永続性」を留意すべきとしている点に関しても、「何ら法律的根拠はなく、行政庁の恣意的裁量に過ぎず、裁量で設立要件を加重するのは、法の規定に違反している」と述べている。

さらに「不認証決定もせずに受理を引き延ばすのではなく、法に基づく手続きで認証した後、もし問題が明らかになれば法第81条の解散命令を適用すればよい」と指摘。宗教法人法では本来、文化庁や都道府県は宗教法人の所轄庁というよりむしろ規則の認証庁であり、「認証後にその法人の活動に責任を持つものではない」と強調している。

また本紙「公論定言」で東京基督教大の櫻井圀郎・特任教授(法律学)は「法は意思主義。『申請する』意思をはっきり示さないと、申請に行ったつもりでも、行政側は相談に来た扱いにする。必要な書類を窓口に提出すればよい。受理を拒否されたら、書留郵送すれば済む話だ」と論じる。

今月4日、八幡ぶどうの木教会は所属する日本基督教団と京都教区が発行した証明書類を付し、京都府文教課に宗教法人規則認証の申請書を書留で郵送した。受理すれば認証・不認証の決定まで3カ月。3年ルールの満期まで半年弱を余すが、京都府側はどう対応するだろうか。

1宗教団体の認証事業とはいえ、背景には、平成7年の改定で所轄庁の権限が強化され、法制定の本来の立場からの変化が指摘される宗教法人法の根幹に関わる問題が横たわる。千葉牧師らが法に根拠のない指導にあえて抵抗を試み、「認証」とは何かを問うた意味は決して小さくはない。