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時流ワイド

松本サリン事件から18年
    直聞インタビュー 河野義行さん(5/5ページ)

2012年11月3日付 中外日報

お寺は開放し愚痴を聞く

東日本大震災と原発事故の後、日本人はどう生きるべきですか。

あそこで変わったけど、また元に戻ったような気がします。一時は何とかしなきゃという思いで動いたのに、風化するには早過ぎますよね。

被災者の大変さや痛みが距離があることで実感を伴わないというか、メディアも時々検証はしてもリアルタイムで流さなくなると忘れてしまう。原発事故の結論も何も出ていない状況で再稼働している。電気が足りない状況でもないのに。やはり利権ですよね。

足るを知るというところに戻らなければ。今ある中で幸せを感じるような心の向き、置き方にチェンジしていかないと死にたくなる人がもっと増えるのではないでしょうか。

日本の宗教界に何を期待しますか。

やはり精神的な安定。例えば自分が大病をして死ぬかもしれないというような状況や死を意識した時に、本当は死とは自然なもので誰もがそこに行くのに、そのことを思わずに生活している。精神的に安定したいところに宗教があってもいいなと思っています。

心の安定を与える宗教とオウム真理教との違いとは。

ヨガとか瞑想とかは、今の仏教だってやっているんだし、違う部分と同じ部分が両方存在すると思う。オウムは、自分たちは選ばれた民みたいな優越感に浸って走ってしまったとかいろいろいうけれども、彼らが目的としたものは一体何なのかとアレフの代表だった村岡(達子)さんに聞くと「解脱と民衆の救済」。動機としては悪くない。手段の中で間違っちゃったということかなと。

アレフとひかりの輪の現状については。

アレフはまだ麻原(彰晃)さんの影響があると思います。ひかりの輪は麻原さん1人に帰依したのが間違いだということで、他宗教、例えば出羽三山で修行したり、麻原絶対帰依からは遠ざかっているのは確か。

危険性を感じることは。

そんな力はないと思う。公安調査庁がひかりの輪やアレフへの団体規制法で、言うなれば心の中のことを罰している。「お前は麻原に帰依していてまた大量殺人を起こすに違いない」というような。

基本的には違法行為、不法行為がなければいいじゃないか、信教の自由があるから麻原さんが好きでも別にいいじゃないかと思います。今までの法律だとけがをさせた、殺した、殺そうと思って準備した、そこまでですよ。だけど、殺してやろうかなと思っただけで罰するのはちょっと違うかなと。

若い人たちの居場所がなく、カルトに取り込まれている。既成教団はどのように対応すべきか。

垣根がある。誰でもいつでもどうぞというふうに、垣根を取っ払って、檀家さんに対してもお寺を開放して、気軽に来られて愚痴を聞く、相談に乗る、アドバイスをするということでいいと思う。住職はそれなりに勉強して人を導く力を持っている。もう少し生かした方がいいと思います。駆け込み寺になってほしい。人間って言葉で結構、立ち直れるところがありますから。

ポジティブな言葉、ポジティブな思いが満ちあふれたらいい世の中になると思う。もう愚痴はいいよ、楽しく行こうよ、みたいな(笑い)。風を感じるとか、空気がうまいとか、いろんな恵みがあるんですよ、無料で(笑い)。