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時流ワイド

「ゆりかご」の子どもたち(3/5ページ)

2013年2月28日付 中外日報

83人預かり13人が戻る

昨年3月までの5年間に預けられた人数は83人。性別は男女ほぼ同比で、平成19年度が17人、20年度が25人、21年度が15人、22年度が18人、23年度が8人。

うち一昨年9月までに預けられた81人の推定年齢区分は、生後1カ月未満の新生児が64人、生後1年未満の乳児が11人、就学前の幼児が6人。最年長は3歳で、8人が障害児だった。

このうち病院の調査や連絡で81人中67人の親が判明。地域内訳は、熊本県内7人、熊本を除く九州21人、関東18人、近畿8人、中部8人、中国5人、不明が16人。母親の年代は20代が34人、30代が18人、10代が10人、40代が4人、不明が1人で、既婚者は22人、離婚者16人、未婚者が28人、不明が1人だった。

自宅出産し、母親が一人で預け入れに来た事例が一番多く、外国人や医療関係者による預け入れもあったという。

預けた理由は複数回答で「生活困窮」「未婚」が各9件、「世間体・戸籍に入れたくない」「パートナーの問題」が各6件、「不倫」が4件などだった。預けられた子どものうち13人は実親の元に引き取られている。

困っている人の役に立つ

この利用データをどう受け止めればよいのか。「赤ちゃんのいのちが助かって良かった」「困った人の役に立っている」と思う前に、「なんと無責任な親が多いものだ」と感じる人も少なくないはずだ。「子どもが捨てられていたら警察に通報して親を捜してもらう」「見つかれば親に二度としないように厳しく注意、指導する」「身元が分からなければ児童福祉施設などの公的施設に保護してもらう」というのがごく一般的な考え方かもしれない。

だが、この発想は一見、親の責任の重さを強調しているようであって、実は今の日本の無縁社会を象徴するような無関心、無責任なものとも言えるのだ。

田尻看護部長は「マザー・テレサは『愛の反対は憎しみではなく無関心』と説かれました。私たちにとってこうのとりのゆりかごは、目の前で困っている人を救うごく当たり前の取り組みなのです」と強調する。