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時流ワイド

差別と芸能、宗教の関わり
    直聞インタビュー 猿まわし師 村崎太郎さん(5/5ページ)

2013年3月23日付 中外日報

日本の多彩な伝統芸能

日本には多種多様の伝統芸能がある。平安時代から演じられていた田楽は被差別者によるものだったとされるが、観阿弥・世阿弥を輩出し能楽として著しく発展。武士の芸能とされるに至った。近世に興った歌舞伎は、創始者の出雲阿国が被差別者である河原者といわれる。大衆向け芸能として差別される立場が続いたが、明治20年に天覧歌舞伎が行われ徐々に権威が加わっていった。

漫才は、家々を回り年始の祝言を述べる門付芸「万歳」が起源。太夫と才蔵の二人組で、鼓を打ちながら歌い舞った。当意即妙のやりとりで笑わせることもあったが、現在の漫才ほど笑いが主体ではなかった。このほか、馬の頭部の作り物を着けて三味線や太鼓に合わせて歌う「春駒」、大黒天の面や赤い頭巾をかぶった芸人が歌い踊る「大黒舞」など、正月を祝う芸が多い。

竹製の楽器「ささら」を鳴らし寺社の縁起などを語る「ささら説教」、念仏を唱えながら鉦の曲打ちも見せる「鉦たたき」など寺社と深く関わる芸能も。

町田発言で意識高まる

差別問題で近年、宗教界に最も大きな衝撃を与えたのが、昭和54年の「町田発言」だ。アメリカ・プリンストンで開催された世界宗教者平和会議(WCRP)で、全日本仏教会理事長の町田宗夫・曹洞宗宗務総長が「日本には部落差別はない」と発言した。その後、日本宗教界に対する強い糾弾が行われた。

仏教には、前世の行為が現世に結果として表れる「業報輪廻説」があり、差別される境遇にあっても前世の悪因によるものだからと諦めさせる「悪しき業論」が差別者固定に利用された。町田発言以後、宗教界の差別に対する意識が高まり、昭和56年に教派を超えて「『同和問題』にとりくむ宗教教団連帯会議」が結成された。

各宗派でも研修会などが盛んに開催され、差別戒名を改める動きが進んでいる。また就職や結婚の際に過去帳などを調べる身元調査に対して拒否する運動も展開され、「身元調査お断り」の札を掲げる寺院もある。