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時流ワイド激変する社会の中で宗教界に関わる諸問題を取り上げる大型企画

「出生前診断」アンケート(3/5ページ)

2013年5月30日付 中外日報

医療専門家が問題提起を

出生前診断の規制について聞く問2は、B「医療関係者が学会などで規制すべきだ」が20人で最も多く、以下A「国が法的に規制すべきだ」が9人、C「規制せず広く医療を提供した上で個人の判断に任せるべきだ」が8人、D「その他。分からない」が7人だった。

Bを選択した理由では、国の規制はさまざまな理由から好ましくないとして、医療関係者が専門的見地から規制について考えることが望ましいとする意見が多かった。

「国が法的に規制するためには、憲法に則って、それが人間の基本的人権を明確に損なうという場合に限って行うべきである。現在新型出生前診断についてのコンセンサスが周知されていない段階で、国法の規制を考えるのは性急すぎるのではないかと思う。従って、診断の問題点について熟知している医療関係者が問題提起するべきだと思う」(尾畑文正・真宗大谷派泉稱寺住職)

「誤解を恐れずに言えば、この問題は女性が中絶を選択する権利と、広義の意味での胎児の生きる権利が対峙する問題。法的強制力が伴う規制は、まだまだ国民的議論が熟していない状況にあろうかと思います。現時点においては医療関係者など専門家の知識に委ねるしか術(規制)はないものと判断しました」(秋央文・曹洞宗昌建寺住職)

国の規制を求めるAの選択者のうち、金子昭・天理大おやさと研究所教授は胎児保護の観点から、次のように主張する。

「胎児は、人間として生まれるべき生命として母胎内で時々刻々と成長しながら、自分自身は権利を主張できないという最も弱い立場にあるのです。胎児の生存権を最大限保障していくためにも、出生前診断全般にわたり、単に学会などのガイドラインのレベルではなく、国の法律の枠組みの中で規制していくことが不可欠です。そうでなければ、人間の生命を大切にする国とは言えません」

「個人の判断に任せる」Cを選んだ杉山正晃・橘樹神社宮司は「規制する側のさまざまな考え方一つでいかようにでもなることは大変危険である」として「国や一部の人間による」規制には反対の立場を取る。