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時流ワイド

宗教情報ブームの時代(2/5ページ)

2013年6月13日付 中外日報

何を求め何を伝えているのか 宗教とメディアを考える

國學院大・井上順孝教授
國學院大・井上順孝教授

井上順孝教授の話を聞きながら…

東日本大震災以降、震災関連の書籍と並んで、仏教の入門書や僧侶のエッセーなど宗教を特集した本や雑誌等が続々と刊行されている。一見、宗教とは縁遠いはずのビジネス誌までこぞって宗教を特集する。震災で多くの人が無常感を抱き、生死について考え、悲しみから立ち上がるために宗教に心の支えを求めている。また人生の指針を求めて物質文明の限界を感じ、特に働きづめだった団塊の世代が退職後の生きがいを宗教の中から見いだそうとしており、メディア側も敏感にこれに反応しているようだ。宗教と社会の動きの問題に詳しい國學院大教授の井上順孝氏に話を聞きながら、「宗教とメディア」について考えてみた。(闇雲啓介/山縣淳/武田智彦/河合清治)

迷う時代の自己を解放

書店に並ぶ宗教関係者の本や雑誌の種類は入門書、法話、人生相談、癒やし、巡拝、旅行、遷宮・遠忌などの記念誌、冠婚葬祭にまつわるマナー読本、有名僧侶や著名人、タレントのエッセーなどがある。昨年からは宗教関連の検定まで始まり、そのガイドブックも出版されている。

雑誌では小学館の『サライ』、KKベストセラーズの『一個人』などが目立つが、『プレジデント』や『週刊ダイヤモンド』などビジネス誌までが宗教を大きく取り扱っている。

シニア世代向けの趣味の雑誌『サライ』は平成元年の創刊で、昨年11月号で「秘仏と仏塔を訪ねる京都」を特集し、今年1月号では法隆寺を取り上げた。最新の7月号でも「僧侶に尋ねよ」と題して、砂原秀遍・東寺長者、筒井寛昭・東大寺別当、山川宗玄・臨済宗妙心寺派正眼寺住職、松本紹圭・浄土真宗本願寺派光明寺僧侶ら7人の僧侶による生き方指南を掲載した。

『プレジデント』は玄侑宗久さんによる「『般若心経』入門」「『ブッダ、聖書』のことば」「仏教のチカラ」「禅的シンプルライフ」を同誌や別冊で特集したほか、松原泰道さんの書籍も発刊している。

「心がスーッと晴れ渡る 人生が変わる『仏教』入門」として月読寺住職(浄土真宗系単立正現寺住職)の小池龍之介さんらも登場。もう一人の禅宗の僧侶と共に、執着から自らを解き放つことを説いた「心配事の9割は勘違い。『迷わない、イライラしない』練習帳」とのコーナーは反響が大きかったという。

「改めて仏教の意味を考えることができました。日本人で良かったと思います」(40代女性)、「日ごろ知っているつもりで実は分かっていないさまざまな見方、仏教ならではの考え方を教えてくれたと思います。変化の激しい今の世の中こそ仏教力が大切」(40代男性)といった感想が寄せられ、中高年が求めるものが垣間見えた。

カネの面で批判は続く

一方、同じビジネス誌でも『週刊ダイヤモンド』は独自の視点から、「寺・墓・葬儀にかかるカネ」「宗教とカネ」「仏教・神道大解剖」など、宗教団体と金の問題に焦点を絞り、注目を集めた。

『週刊ポスト』も昨年5月に「日本の宗教『カネ』と『実力』」などの特集を発行。宗教界のスキャンダラスな部分に食い込む手法は、いつまでも変わらないようだ。