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時流ワイド

宗教情報ブームの時代(3/5ページ)

2013年6月13日付 中外日報

SNSで情報拡散・共有

現在の宗教とメディアの関係について井上氏は「情報時代であることが一つのポイント」と強調する。

「例えば仏教にはもともと信仰の側面と優れた文化資産の側面があった。数年前に阿修羅展が人気を呼んだように、自分たちの文化資産に普通の人が気付いた。ただ気付いただけでなく、情報時代の中で、情報をインターネットなどを通じて拡散し、多くの人が共有、共感するようになった。神社ブームも同じこと」と分析する。

インターネットが普及し、ツイッターやフェイスブックなどソーシャル・ネットワーキング・サービスも登場。個人が得た仏像のことや御利益のことなどの情報が発信され、情報は簡単かつすぐに多くの人に拡散され、それを見た人からさらに広がっていく。興味を持つ人が増え、いわゆる「宗教ブーム」が起きている。

世代的な格差はあるものの「スピリチュアルブーム」「パワースポットブーム」も宗教情報とリンクして発信され、宗教ブームを大きく感じさせる一因になっている。

その流れに乗り、ブームに敏感な情報雑誌等のメディアが積極的に宗教を取り扱うようになった。多くの人の死に直面し、命の意味を考えさせられた東日本大震災以降、さらにその度合いが高まっているようだ。

大震災を機に命見直す

前出の『プレジデント』編集部の鈴木勝彦・編集長は「私どもだけでなくメディアが宗教を扱うようになったのは震災の影響が大きいと思う。皆さんの心持ちとして、自分の足元を見直し、自分自身の立ち位置を確認したいというような気持ちになっている。日本人の足元となるとやはり仏教を使って自分を見直すとともに心の支えになるのではとの仮説を立て、仏教の特集が皆さんのお役に立つと思った」と語る。

最新号で「僧侶に尋ねよ」を企画した『サライ』の西村研一・副編集長は「日本の文化や伝統を中心に扱ってきたが、精神の拠り所として神道や仏教があるという認識を持っている。『お坊さんという存在がありがたい』という流れが世の中でじわじわと高まってきている。人の心に響く言葉を持っている存在だ。読者の4割が60代で、70代以上も2割いる」。

『週刊ダイヤモンド』の宗教の扱い方はこれらとは異質だ。田島靖久・副編集長は「うちの雑誌が宗教を扱っているのは宗教の金の動き。決して宗教を厳しい視線で見ているわけではない。ビジネス、経済の観点から教団の金がどうなっているのか知りたいだけ。とにかく透明にしてほしいと願っている」と話す。しかし震災後に特集した「仏教・神道大解剖」では「金以外にも宗教のことを知っておく必要もあると思って編集した」とのことだ。