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時流ワイド

スポーツと信仰の関係(3/5ページ)

2013年7月20日付 中外日報

智辯言葉ひとつで変わる

和歌山大会で選手に指示を出す髙嶋監督(県営紀三井寺野球場)
和歌山大会で選手に指示を出す髙嶋監督(県営紀三井寺野球場)

智辯和歌山野球部には監督らに実力を認められて入学した少数精鋭の31人の部員がいる。

同校では週1回の宗教の授業と月1回の感謝祭があり、毎朝、授業の前に辯天宗宗祖・大森智辯の「お言葉」を聴き、全員で祈りの言葉を読み上げる。

「今日の日は、今日しかありません。今日が肝心。あとで悔やむことのないよう有意義に過ごしましょう」。宗祖の言葉を心に留めるキャプテンの天野康大選手(3年)は「お言葉通り、今この時にしっかりやらないといけない」と、一打一球をおろそかにせず、毎日の練習に新鮮な気持ちで挑んでいる。

甲子園63勝と最多勝利記録を持つ髙嶋仁監督(67)は平成20年、部員への体罰で謹慎処分を受け、四国遍路の旅に出た。当時の藤田照清・学園理事長から「歩いてきたらどうだ。終われば何か残るだろう」と言われたのがきっかけだ。41日かけて八十八ケ所霊場を巡り、辯天宗にも縁深い弘法大師信仰にすっかり染まったという。

「毎日、早朝から夜まで歩き続けて疲れ果てる。しかし、地元の方に励ましの声を掛けられただけで、生き返る思いがして、もう5キロ歩けるようになる。人間は言葉一つで変わることを知った」という。以来、指導でも部員が「生き返る」ような言葉を使うように意識している。

「そんなんじゃダメだろう!」。予選を間近に控えた7月上旬の練習中、ミスしたキャッチャーに向かって髙嶋監督の厳しい叱責が飛んだ。

一瞬、叱られた部員の動きが止まったが、「みんなの思いをしっかり受け止めろよ」との次の一声に促されるように大きな声で「はい」と応えて、再び元気に練習を再開した。監督の言葉には「人のためを思い、少しでも人のためになろう」との宗祖の「お言葉」にあるような、人と人のつながりを重視する辯天宗の教えが生きている。