ニュース画像
敬白文を読み上げ決意を示す菅管長
主な連載 過去の連載
エンディングへの備え
時代を生きる 宗教を語る
購読のお申し込み
新規購読キャンペーン
紙面保存版
トップ> 時流ワイドリスト> 高まる改憲論議
時流ワイド

高まる改憲論議(6/6ページ)

2013年10月31日付 中外日報

靖国参拝に道開く恐れ 何が社会的儀礼で習俗か

質問⑤は、自民党の「改正草案」で、「国民の自由及び権利」について、これまで自由及び権利の濫用を制限する条件であった「公共の福祉」が、「公益及び公の秩序」に改められようとしていることについての賛否を問うた。

「草案の改正でよい」が9人、「『公益及び公の秩序』とすれば、拡大解釈され、国民の自由及び権利が不当に侵害される恐れがある」が25人、「わからない・その他」が4人。

今岡達雄・浄土宗総合研究所副所長は「公共の場に多くの監視カメラが設置されているように、日本社会は既に管理社会化が進みつつある。『公益及び公の秩序』という文言は、この管理社会を公に認めるものである」として反対。

一方、「自由の主張も必要だが、その礎である責任があってのことだと思う」(葉上観行・天台宗千光寺住職)のように、自由の名のもとに現代社会が無責任、無秩序社会になっていることを憂え、草案に賛成する人も。

質問⑥は、「改正草案」では信教の自由を定めた第20条の第3項に、「社会的儀礼又は習俗的行為の範囲を超えないもの」について、国および地方自治体の関与を認める、との趣旨の文言を追加したことについて尋ねた。

「草案の改正でよい」は12人、「地鎮祭や玉串料など、これまで裁判でその違憲性が争われてきた国や地方自治体の行為を正当化しようとするものであり反対。首相、閣僚の靖国参拝にも道を開く恐れもある」が18人、「わからない・その他」が8人。

東久世通正・産土神社禰宜は「政教分離は厳格に守るべきである。何が社会的儀礼であり、習俗であるかは個人によって判断が分かれるものであり、権力者による拡大解釈の恐れがある」、川上直哉・日本基督教団仙台市民教会牧師も「社会的儀礼又は習俗的行為の範囲を誰が決めるのかという大問題がある」と反対の立場だ。

これに対して、小田氏は「戦没者慰霊の玉串料と、地鎮祭の玉串料は分けて考えたい。地鎮祭に関しては、施主である自治体が行っても社会習俗の範囲内で認めてもいい。戦没者の問題は靖国問題と関連し、別途、議論が必要だと思う」と賛意を示す。

最後に質問⑦として「憲法改正」全般についての意見を求めたが、「慎重でなければならないことは十分理解しているが、現状のままで良いとは決して思わない。柔軟な思考と最大限の配慮・議論の上で、"新たな平和憲法"が作り上げられることを願う」(黒住氏)、「危険なのはこの問題が水面下や裏(国民の知らない間に知らない所)でどんどん進行していくこと。国民は気付いたらある日突然にワイマール憲法がナチス憲法に変わっていたなどということにならないよう、戦前の日本に戻させないよう注視していかなければ」(白江氏)、「もっと国民の声を」(葉上氏)など、慎重かつ時間をかけたオープンな議論を望む声が多く寄せられた。