ニュース画像
倒壊した浄土真宗本願寺派法城寺の鐘突き堂(むかわ町)
主な連載 過去の連載 エンディングへの備え
時代を生きる 宗教を語る
購読のお申し込み
新規購読キャンペーン
紙面保存版
トップ> 時流ワイドリスト> 過疎地域の寺院は今…
時流ワイド

過疎地域の寺院は今…(4/6ページ)

2013年12月12日付 中外日報

「寺院活性化コンペ」など アイデアを一般から募集

仏教各宗派では、過疎地域の寺院への調査を実施している。ユニークな対策を打ち出している教団もある。

浄土真宗本願寺派は、5年に1度実施する「宗勢基本調査」で過疎地域にある寺院の割合などを把握した。

最新の平成21年の第9回調査では、寺院の所在地は市街地17%、住宅地28%、農山漁村55%で、このうち過疎地域に寺院が所在するとの回答は52・8%に上り、農山漁村に位置する寺院では76・1%が過疎地域と回答した。また同派総合研究所は、平成21年から23年にかけて全国5地域(場所は未公表)で過疎問題の聞き取り調査を実施した。A地域では林業の衰退に伴い、戦後すぐに都市部への人口流出が始まった。その地域の寺院は、地域を出て行った門徒を転出先の寺院に紹介する形でつなぎ留めを図った。自らの寺の門徒は減少し、現在は兼職や年金で寺を維持しているという。

浄土宗総合研究所は昨年、過疎地域にある正住寺院710カ寺、兼務寺院277カ寺にアンケートを実施した。正住寺院627カ寺からの回答を分析し、9月に公表した。

「最近20年で、増加・減少を合わせて檀家の戸数の変化はどのくらいですか」という設問に対して、増加または変化なしと答えたのは36%だったが、減少は60%。30戸以上の減少と回答した寺院も10%あった。

一方、今後20年間での増減を問う質問には、減少と予想したのは78%で、30戸以上の減少と考えている寺院も22%となった。今後20年の檀家の減少の方が過去20年よりも激しくなると、過疎地域の住職たちは厳しい見通しを示した。

真宗大谷派では「過疎問題に関する委員会」が答申を出した。過疎地域の寺院で兼職している住職が、仕事の都合で急な法務に対応できないときに法務の代行を依頼できる「法務支援ネットワーク」や、故郷から離れて暮らす門徒と郷里の寺院とのつながりを保つための「首都圏仏事代行制度」などを提案した。

日蓮宗では平成元年に、現代宗教研究所が「ここまで来ている過疎地寺院 あなたは知っていますか?」とのタイトルの過疎地寺院調査報告書や、22年に『実践研究 元気な寺づくり読本~寺院活性化の事例と手引き』などを発行している。

お寺を活用した地域活性化や、過疎化に悩むお寺を元気にするアイデアを一般から募集する「寺院活性化コンペ」を開催したり、「支援員」制度の導入を進めるなどしている。

「支援員」制度は、過疎地域の比較的若い教師を任命し、地域特性に合った活性化策を同じ立場の教師として共に考えていくというもの。長崎、島根で試験的に実施中で、2県の様子を見て今後全国に展開する予定だ。