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時流ワイド

過疎地域の寺院は今…(5/6ページ)

2013年12月12日付 中外日報

高齢化するベッドタウン 「お助け班」で孤独を救う

「お助け班」の活動について話す五十嵐眞證住職㊧と門徒の永渕宗信さん
「お助け班」の活動について話す五十嵐眞證住職㊧と門徒の永渕宗信さん

過疎地域の寺院が抱える問題は、人口減少に歯止めがかからない限り都市部でも起こり得る。夫に先立たれた一人暮らしの老女が亡くなり、親族が一家の墓を処分して共同供養墓に遺骨を納めたという事例などが、首都圏にある寺院でも頻繁に起きている。

すでに日本の人口は減少に転じている。東京都は11月、東京オリンピックが開かれる2020年の1336万人をピークに東京の人口が減少に転じ、2060年には1036万人になると発表した。75歳以上の後期高齢者を世帯主とする単独世帯は、2010年に34万世帯であったものが2060年には83万世帯となり、2・4倍に増加するという。

高度成長期に首都圏のベッドタウンとして成長した多摩ニュータウンにある浄土真宗本願寺派阿弥陀寺(東京都多摩市桜ケ丘)。かつて新潟県長岡市にあったが、大東文化大教授を務めた五十嵐明宝・前住職と母親が約50年前、ニュータウンの開発とともに移転させた。「開かれた寺」をモットーに都市開教の先駆けとなった。

桜ケ丘では造成初期に移り住んだ住民たちの加齢が進む一方で、その子どもたちが独立し、ニュータウンを後にした。近年、一人暮らしの高齢者が急増している。

前住職が急逝した後、その遺志を継いだ妻の五十嵐眞證住職(63)は、住民同士が支え合う「お助け班」を組織した。一人で暮らす高齢者や地域住民を、日常から緊急時まで広くサポートする。会員は家の鍵を同寺に預け、緊急連絡先なども伝えている。それほど寺は信頼されている。

お助け班を組織したきっかけは、「何かあったときのためにお寺に鍵を預けていいですか」という一人暮らし高齢者の相談だった。班に寄せられる依頼には、「重い物を持ってほしい」「家具を移動させてほしい」といったものもあり、かゆい所に手が届く相互扶助がメリットだ。眞證住職は「遠くの親戚より近くの他人。夫婦でいても同時に亡くなることはない。人生の最後で困るのは、一人になること」と話す。

お助け班をつくりたいと相談を受けた時、もろ手を挙げて賛成した門徒の永渕宗信さん(80)は「理屈ではなく実際に困っている人に寄り添ってくれている住職の活動こそ、生きた宗教だ」と語る。

「うちらはみんなが仏様です。拝み合うことが大切です。仏様が中心にあるので、互いに競い合うことなく助け合うのです」と、眞證住職は語った。