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時流ワイド

過疎地域の寺院は今…(6/6ページ)

2013年12月12日付 中外日報

信仰まで過疎化するな

次世代への継承に向け 家に仏壇置くよう諭す

安楽寺本堂でお勤めする田中住職
安楽寺本堂でお勤めする田中住職

過疎地域の寺院住職たちは、ただ手をこまぬいているわけではない。寺を守るために、地道な教化活動を続ける。浄欣寺の加藤住職は、法事では必ず法話を行い、膳を共にしてとことん付き合う。腹を割って話すことで、強い信頼関係が育まれる。それが、寺を将来支えてくれる檀信徒をつくることにつながる。

8月15日、安楽寺で盆踊りが行われた。田中住職は佐々江を離れた檀信徒への法要の案内を欠かさず、同日の施餓鬼会には必ず来るよう呼び掛けている。踊りの輪には多くの帰省者が加わり、「どこから人がわいて出てきたのか」と思うほどだった。幼なじみとの久しぶりの再会を喜ぶ声や子どもたちの笑い声が、遅くまで山間の小さな集落にこだました。

また、信仰が次世代に伝えられるよう、親の家に仏壇があったとしても、離れて暮らす子どもたちに仏壇を置くようにと諭す。「地域は過疎化している。だが、信仰までは過疎化させてはいけない」と語った。

『限界集落の真実』の著者である山下祐介・首都大学東京准教授(44)は、過疎問題を「世代間の地域住み分け」という角度から分析し、地域再生についても提言を行ってきた。「信仰は、集落の『公共』とつながりが深いもの。『集落と共に寺が消える』と決め付けるのではなく、むしろ寺が、地域を出た人々を引き付ける方法を提案することができるのではないだろうか。それによって地域のつながりの在り方も変わっていくのではないか」と提言する。