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時流ワイド

葬儀縮小化の流れ加速(6/6ページ)

2014年1月23日付 中外日報

寺院デザイン 薄井秀夫氏「葬儀縮小化は適正化」

寺院運営のコンサルタントをし、葬儀の現状に詳しい薄井秀夫・寺院デザイン代表取締役は、葬儀の縮小化を「むしろ適正化」と評価する。葬儀の現状と僧侶の関係について聞いた。

葬儀の縮小化という流れは、今後も変わらないだろう。家族葬など小さな規模で葬儀を営むのは、そこに宗教性があるかどうかではなく、社会環境の変化が原因だからだ。

現在は地域とのつながりが薄れ、親戚付き合いも疎遠になっている。高齢で亡くなる人が増えているため、その友人知人も少ない。会社員時代の付き合いも、退職してから長くたって関係が薄くなっている。そんな状況での葬儀だから、参列者が少なくなるのは当然といえる。

バブル期には大規模な社葬が広く行われ、個人の葬儀にも会社の付き合いで顔も知らない人がたくさん参列していた。そんな時代の葬儀の方が異常だったのかもしれない。

遺族には、今も昔も変わらず、故人には安らかな死後を願う気持ちがある。それは宗教の教義にかかわらず、地域や時代を超えて共通するものだ。

かつては葬儀に対して「高額だ」「内訳が不明朗だ」といった批判が噴出した時期もあった。だが10年くらい前から、ほとんどの業者が明細書を示し、金額の適正化も進んでいる。だからイオンの葬儀価格明示は目新しいことではなかったが、知名度が高い企業なのでインパクトを与えた。

今は僧侶の中からも、葬式仏教を好意的に捉えようとの動きがある。これまで僧侶は宗門大学で教え込まれ、教学だけを重んじる空気があったが、一般の人が求めているのは教学よりも先祖供養。その思いに応えて葬式仏教に徹することは悪いことではない。

イオンのお布施の目安提示に全日本仏教会は抗議したが、お布施の金額を明示しなくて済む時代は間もなく終わるだろう。すでに東京のお寺では目安を言うのが普通になっている。寺が金額を言わなかったのは、地域コミュニティーの中で目安が伝わっていたからで、宗教的理由からではない。社会の変化に伴い、お布施の額を明示する時代がもう目前に迫っている。(談)