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皆が来る 本堂はオープン

京都府南丹市・臨済宗妙心寺派瑞雲寺 長門明成住職

2015年2月11日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

本堂内に50年間の写真を掲示した昨年の地蔵盆
本堂内に50年間の写真を掲示した昨年の地蔵盆

京都府南丹市八木町・臨済宗妙心寺派瑞雲寺の本堂は、いつもふすまが取り払われて、オープンスペースの会場のようだ。長門明成住職(47)は「皆が来るのがお寺。うちはイベント寺ですから」と話す。

取材時も、同寺の女性サロンのメンバーが御詠歌を響かせていた。週2回の練習は、無相教会師範の寺庭婦人・てい子さん(75)が指導する。梅雨時には境内の沙羅双樹を眺めるコンサートを開き、秋には地域の長寿の祝いを開催。また大津市から講師を迎える絵画クラブが月3回。それにお寺の恒例行事が加わり、ほとんど毎日のように人々が集っている。

「イベント」の中心は、小・中学生たちの子ども会。OB・OGの高校生がリーダーになり、1月の鏡開きをはじめ、年6回ほど大きな行事に取り組む。

中でも8月の地蔵盆は最大行事で、義明・先住職(77)が始めて、昨年50周年を迎えた。子どもたちが自ら、区長ら地域の役職者に手紙を書いて招待し、絵を描いた行燈を飾り、歌やゲームで楽しむ。夜は花火大会もあり、境内には屋台も並ぶ。この日ばかりは、子どもを連れて帰省した人たちも集い、大いに盛り上がる。

また夏休みには、初めと終わりに坐禅会を開いている。長期の休みに気を緩めず、学校再開前に子どもたちが気持ちを整理するための坐禅という。

明成住職は現在、大本山妙心寺・花園会館の総支配人で、昼間は自坊にいないことも多いが、義明先住職は自身の散歩を兼ねて、毎朝子どもたちと一緒に小学校まで歩き、「今日は誰が休んでいるか、全部分かる」そうだ。夏休みに限らず、一年中境内でラジオ体操を継続するなど、地域に密着したお寺の姿を感じさせる。

「子ども会を始めた頃、総代が『せっかくきれいにした本堂の畳が傷む』と渋ったが、擦り切れるのが畳の人生。本堂で大いに暴れ回ってもいい」と義明先住職。明成住職も、その思いを引き継いでいるが、時々知らない間に参拝者がいて驚くこともある。「でも、この先も本堂に鍵を付けることはないでしょう。自分の仏壇と思ってお参りしてくれればいい」と話している。

(萩原典吉)