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40年続く坐禅会 受け継ぐ

東京都世田谷区・臨済宗妙心寺派龍雲寺 細川晋輔住職

2015年2月18日付 中外日報(キラリ ― 頑張る寺社・宗教者)

静まり返る本堂で坐禅を組む参加者
静まり返る本堂で坐禅を組む参加者

毎週日曜の午前6時30分、東京都世田谷区の臨済宗妙心寺派龍雲寺の本堂に80~100人が集まり、坐禅を組む。初心者には細川晋輔住職がやさしく作法を教えている。しかし、ひとたび坐禅が始まると本堂は空気が張りつめ、静寂に包まれる。

40年前、当時住職だった細川景一閑栖(隠居した禅僧)が始めた坐禅会は、当初1、2人しか参加者はおらず、0人の時もあったが、元旦を除いて決して休むことはなかった。徐々に人が集まるようになり、今では新しく訪れた人を断らなければならないほどになった。細川住職は「新しい人にも参加してほしいが、長年通い続けている人の楽しみを奪わないように」と話す。

龍雲寺は1699(元禄12)年、村の発展に伴い、名主だった田中七衛門や村民が寺の建立を発願し、廃寺だった智見寺を譲り受けて、龍雲寺と改名した。

坐禅会に限らず、同寺には普段から檀家や地元の住民が出入りしている。特に盛り上がるのは夏の盆踊り大会だ。近くの駐車場を会場に大きなやぐらが建てられ、約3千人が参加する。準備や当日の警備もほとんどを地元の人たちで行っている。先々代の細川宗源住職の頃には「野沢龍雲寺」という名前の東急バスの停留所が設置されるなど、寺は地域住民から広く親しまれている。

写経会など様々な活動を展開している同寺だが、それ故の重圧が細川住職にはあったという。母方の祖父は数多くの著書があり、仏教教化に多大な功績を残した松原泰道和尚、父は妙心寺派の宗務総長を務め、寺門の興隆に尽力した。

細川住職は僧堂から戻って、自分でも何か始めたいと東京都渋谷区で朝坐禅の講師になった。当初は人が集まりにくいこともあったが、禅の公案に倣いディスカッションを取り入れるなど工夫を凝らした。

精力的な活動の根底にあるのは仏教の教えを伝えたいという強い思いだ。盆踊りなどの行事にも仏教的な意味があることを会報などを通じて説いている。「お寺に関心を持つ入り口はいろいろあってもいい。出口でしっかり仏教に触れてもらえれば」

(甲田貴之)